筋トレの成果を高めるために、タンパク質は「何を飲むか」よりも、まず1日に必要な総量を食事とプロテインで満たすことが大切です。

筋力トレーニングを行う人は、1日あたり体重1kgにつき1.4〜2.0gを目安にし、その中でも1.6g/kg/日前後を実践の基準にすると組み立てやすくなります。1回あたりは体重1kgにつき約0.4gを目安に、3〜5回の食事や補食へ分ける方法が使いやすいでしょう

この記事の結論

  • 最初に1日のタンパク質目標量を決める
  • 食事を基本にし、不足分をプロテインで補う
  • 1食20gという固定値ではなく、体重に合わせて考える
  • 筋トレ前後だけでなく、1日を通した配分を整える
  • EAAは目的に応じて使い、日々のタンパク質摂取の代わりにはしない

私は週2〜3回のジム通いを続け、約3年でベンチプレス180kg前後に到達しました。現在は食事を基本に、足りない分をプロテインで補い、EAAは主にトレーニング中に飲んでいます。本記事では、この実践経験と研究情報を組み合わせて、摂取量・食品・種類・タイミングを一つに整理します。

筋トレをする人のタンパク質摂取量は1日何g?

国際スポーツ栄養学会のポジションスタンドでは、運動を行う人の筋肉量維持・増加を支える摂取量として、1日あたり1.4〜2.0g/kgが示されています。また、筋力トレーニングとプロテイン補給を扱ったメタ解析では、筋肉量増加に対する上積み効果は総摂取量約1.6g/kg/日前後で頭打ちになる傾向が報告されています

そのため、通常の筋力トレーニングでは体重×1.6gを最初の基準にし、食事量、減量・増量、トレーニング量、消化のしやすさに合わせて1.4〜2.0g/kgの範囲で調整する方法が現実的です。

体重別・1日のタンパク質量早見表

体重1.4g/kg1.6g/kg2.0g/kg
50kg70g80g100g
60kg84g96g120g
70kg98g112g140g
80kg112g128g160g
90kg126g144g180g
100kg140g160g200g

例えば体重70kgなら、まずは1日112g前後が目安です。朝食25g、昼食30g、夕食35g、プロテイン22gのように、食事と補食を合計して考えます。

筋肉量の変化をどのくらいの期間で評価するかは、筋肉量は1ヶ月で何kg増える?初心者・経験者別の目安で解説しています。

1回に摂るタンパク質量と摂取間隔

1食あたりの実践的な目安は、体重1kgにつき約0.4gです。体重70kgなら約28g、体重80kgなら約32gになります。

体重1回量の目安(0.4g/kg)
50kg20g
60kg24g
70kg28g
80kg32g
90kg36g
100kg40g

研究では、運動後に同じ総量のホエイプロテインを異なる間隔で摂取した場合、20gを約3時間おきに摂る条件で筋タンパク質合成が高くなった例があります。日常では、朝・昼・夕の食事に補食を加え、3〜5回に分けると無理なく実践できます。

一方で、「1回20gを超えると吸収されず無駄になる」という意味ではありません。2023年の研究では、運動後の100g摂取が25gより長時間にわたる同化反応を生じさせました[5]。大量摂取にも利用される余地はありますが、普段の食事では必要量を複数回に分けた方が、食べやすさと継続性の面で管理しやすくなります。

具体的な回数、筋トレ日と休養日の組み方は、プロテインは1日何回飲む?摂取量・間隔・タイミングにまとめています。

筋トレ前後のタイミングはどう考える?

筋トレ直後だけに集中するより、1日の総量と継続的な配分を優先します。筋トレ前の数時間にタンパク質を含む食事を摂っている場合は、終了直後の数分にこだわる必要はありません。

  • 筋トレ前:2〜3時間前に通常の食事を摂れるなら、その食事にタンパク質を含める
  • 筋トレ後:次の食事まで時間が空く場合は、プロテインを使って補う
  • 就寝前:夕食から就寝まで長く空く場合や、1日の目標量が不足している場合に活用する
  • 休養日:筋肉の回復は続いているため、トレーニング日と同様に1日の総量を確保する

時間帯ごとの具体例は、上記の記事で朝トレーニングと夜トレーニングに分けて紹介しています。

高タンパク質食品とプロテインの使い分け

タンパク質は、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などの食品から摂るのが基本です。食品ならタンパク質だけでなく、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルも一緒に摂取できます。

一方、プロテインは食品名ではなく、タンパク質を効率よく補うための食品です。調理時間を取れないとき、食事だけでは目標量に届かないとき、筋トレ後に通常の食事まで時間が空くときに便利です。

場面選びやすい方法
通常の朝・昼・夕食肉・魚・卵・乳製品・大豆製品
食事だけでは不足するホエイ・ソイなどのプロテイン
筋トレ後にすぐ食事できない水や牛乳でプロテインを飲む
摂取カロリーも増やしたい食品、牛乳、炭水化物と組み合わせる
減量中脂質と総カロリーを確認して食品を選ぶ

肉・魚・卵・乳製品・大豆製品の選び方は、筋トレに取り入れやすい高タンパク質食材で詳しく紹介しています。

ホエイ・ソイ・カゼインはどう選ぶ?

種類主な特徴取り入れやすい場面
ホエイ乳由来で、溶かしやすく補給しやすい筋トレ前後、朝、間食
カゼイン乳由来で、消化吸収が比較的ゆるやか食間が長いとき、就寝前
ソイ大豆由来の植物性タンパク質乳由来を避けたいとき、日常の補食
WPIホエイからタンパク質比率を高め、乳糖や脂質を抑えた製品が多い乳糖や成分構成を重視するとき

吸収速度は「何時間で完全に消えるか」という単純な数字だけでは決まりません。食品の形状、摂取量、一緒に食べる栄養素などにも左右されます。詳しくは、タンパク質の吸収時間|ホエイ・ソイ・カゼイン・卵の比較をご覧ください。

実際の商品を価格、重量、タンパク質量、プロテインの種類から選びたい方は、おすすめプロテイン3選の比較にまとめています。

EAA・BCAAとプロテインの違い

プロテインはタンパク質を補給する食品で、消化によってアミノ酸へ分解されます。EAAは、体内で十分に合成できない9種類の必須アミノ酸をまとめたものです。BCAAはEAAのうち、ロイシン・イソロイシン・バリンの3種類を指します。

EAAは水に溶かしてトレーニング中に飲みやすく、食事を摂りにくい時間帯にも利用できます。ただし、EAAだけで1日に必要なタンパク質量を置き換えるのではなく、食事とプロテインで土台を作ったうえで目的に応じて加える方法が分かりやすいでしょう。

私は現在、EAAを主にトレーニング中の水分補給と組み合わせています。摂取するタイミング、量、プロテインやBCAAとの違いは、EAAの効果・飲み方とプロテイン・BCAAとの違いで解説しています。

私が実践しているタンパク質摂取の考え方

私は週2〜3回のトレーニングを基本にし、疲労の状態に応じて高負荷の日と、テクニックや感覚を重視する軽めの日を組み合わせています。ベンチプレス180kg前後に到達する過程でも、プロテインを決まった回数だけ飲むことより、次の点を重視してきました。

  • 最初に食事を含めた1日のタンパク質量を確認する
  • 朝食・昼食・夕食で均等に近い形へ配分する
  • 不足する日や食事まで時間が空く日にプロテインを利用する
  • トレーニング中はEAAを水分補給と組み合わせる
  • 体重、練習内容、回復状態を記録して調整する

サプリメントの回数を先に決めるのではなく、食事で何g摂れているかを確認すると、自分に必要な量を判断しやすくなります。

タンパク質摂取で確認しておきたいこと

筋肉を増やすには、タンパク質だけでなく、適切なトレーニング刺激、総摂取エネルギー、炭水化物、脂質、睡眠も必要です。タンパク質量を増やしても、食事全体が不足していれば十分な成果につながりにくくなります。

また、腎臓などの持病がある場合や、医師から食事制限を受けている場合は、一般的なスポーツ栄養の数値をそのまま使わず、医師や管理栄養士と摂取量を相談してください。

よくある質問

プロテインは毎日飲んだ方がよいですか?

毎日必ず飲むことより、食事を含めたタンパク質量を毎日確保することが大切です。食事だけで目標量を満たせる日は、プロテインを追加する必要はありません。

筋トレをしない日もタンパク質は必要ですか?

必要です。筋トレ後の回復は翌日以降も続くため、休養日も食事を含めて目標量を確保します。

1回20gを超えると無駄になりますか?

20gを超えた分がすべて無駄になるわけではありません[5]。1食量は体重や食事回数に合わせ、0.4g/kg前後を実践的な目安として考えます

プロテインとEAAはどちらを優先しますか?

最初に食事とプロテインで1日のタンパク質量を整えます。EAAはトレーニング中など、素早く飲みやすい形で必須アミノ酸を補いたい場面に取り入れます。

まとめ

筋トレ中のタンパク質摂取は、まず1日の総量を決めることから始めます。体重×1.6g/日前後を基準にし、1.4〜2.0g/kgの範囲で目的や食事量に合わせて調整すると組み立てやすくなります。

食事を基本に、不足分をプロテインで補い、1回0.4g/kg前後を目安に3〜5回へ分けます。EAAやプロテインの種類は、その土台を整えたうえで、トレーニング時間や体質、続けやすさに合わせて選びましょう。

参考文献

  1. Jäger R, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:20. doi:10.1186/s12970-017-0177-8
  2. Morton RW, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018;52:376-384. doi:10.1136/bjsports-2017-097608
  3. Schoenfeld BJ, Aragon AA. How much protein can the body use in a single meal for muscle-building? Implications for daily protein distribution. J Int Soc Sports Nutr. 2018;15:10. doi:10.1186/s12970-018-0215-1
  4. Areta JL, et al. Timing and distribution of protein ingestion during prolonged recovery from resistance exercise alters myofibrillar protein synthesis. J Physiol. 2013;591:2319-2331. doi:10.1113/jphysiol.2012.244897
  5. Trommelen J, et al. The anabolic response to protein ingestion during recovery from exercise has no upper limit in magnitude and duration in vivo in humans. Cell Rep Med. 2023;4:101324. doi:10.1016/j.xcrm.2023.101324
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