こんにちは、モスです。ベンチプレスの補助種目の中で、私がよく取り入れ、非常に有用だと感じているのが足上げナローベンチプレスです。
普段のベンチプレスに似た動作を使いながら、足の踏ん張りと手幅の条件を変えて練習できます。この記事では、足上げナローの役割、やり方、重量と回数の決め方、通常のベンチとの組み合わせを整理します。
足上げナローを活かすポイントは、軽い重量で姿勢と軌道をそろえ、その練習を通常の足つきベンチへつなげること。補助種目として取り入れるなら、まず週1回、6〜10回を2セット程度から、同じフォームであと2〜3回できそうな負荷を起点にすると組みやすくなります。
足上げナローベンチプレスとは?
足を床から離し、普段より狭い手幅で行うベンチプレスです。「足上げ」と「ナロー」には、それぞれ次の役割があります。
| 要素 | 変わること | 練習で意識できること |
|---|---|---|
| 足上げ | 足で床を押す動作が使えなくなる | 上半身の支持、体幹の安定、バーのコントロール |
| ナロー | 手幅が狭くなり、肩と肘の動き方が変わる | 手首と肘の位置、肘を伸ばして押す動作 |
| 足上げ+ナロー | 足の支持と手幅の条件を同時に変える | その条件で姿勢と軌道をそろえたプレス |
ここでは、膝を曲げて足を空中に保つ形を中心に紹介します。足をベンチの座面に載せる方法や、脚を伸ばして浮かせる方法とは支持条件が異なるため、練習記録には脚の姿勢も残しましょう。
通常のベンチ・足上げ・ナローとの違い
| 種目 | 足・手幅 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 通常のベンチプレス | 足を床に置く/普段の手幅 | 脚と上半身を連動させ、メインの動作を練習する |
| 足上げベンチプレス | 足を浮かせる/普段の手幅 | 足の踏ん張りを外した条件で練習する |
| ナローベンチプレス | 足を床に置く/狭めの手幅 | 足の支持を保ちながら、狭めの手幅で押す |
| 足上げナローベンチプレス | 足を浮かせる/狭めの手幅 | 上半身の支持と、狭めの手幅での押し方を合わせて練習する |
両方の条件を一度に変えると難しく感じる場合は、足つきナロー → 軽い足上げナローと進められます。まずは一つずつ慣れ、再現しやすい動作を作ります。
補助種目として期待する3つの役割
1.足の踏ん張りを外し、上半身の支持を確認する
通常のベンチでは、足で床を押す動作も姿勢を安定させ、力を発揮するために使います。足上げではその支持がなくなるため、背中の接地や体幹の保ち方を意識しやすくなります。
確認したいのは「揺れながら持ち上げられるか」よりも、揺れを抑えて同じ動作を繰り返せるかです。体が左右に傾くなら、まず重量を落として姿勢を整えます。
2.肘を伸ばして押す動作を練習する
ナローでは、普段の手幅と比べて肘の動く範囲や上腕の位置が変わります。大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部などを使いながら、狭めの手幅で押す動作を練習できます。
上腕三頭筋を含む押す筋肉を補強したいときの選択肢になります。ベンチの終盤で止まることが課題なら、筋力に加えてバーの軌道や疲労も確認し、補助種目とメインの両方を見ていきましょう。
3.ベンチに近い動作で、別の練習条件を作る
足上げナローは、バーベルを下ろして押すという動作を保ちつつ、足と手幅の条件を変えられます。普段のメイン種目の後に、違う条件で丁寧な反復を積む使い方ができます。
通常のベンチでは脚と上半身をつなげる練習を行い、足上げナローでは上半身の支持と狭めの手幅での押し方を練習する。この役割分担を意識すると、目的が明確になります。
研究を練習にどう活かすか
Muyorらの研究では、男性20人が足つきと股関節・膝を曲げた足上げのベンチを行い、60%1RMの負荷で筋活動を比較しました。足上げの条件では、大胸筋、上腕三頭筋、腹部など、測定した筋群で筋活動が高い結果でした。Muyorら(2019)の原著論文
これは足の位置を変えた際の運動中の比較です。足上げナローの実践では、この知見を姿勢への意識に活かし、長期的な成果は通常のベンチの重量・回数・動作の変化で確認していきます。
足上げナローのやり方|準備からラックに戻すまで
1.セーフティとラックの高さを合わせる
セーフティ付きのラックを使います。普段より胸の高さが下がる可能性があるため、足上げの姿勢で高さを確認してください。軽いバーで、通常の反復を妨げず、動作を中止した際に体へバーが押し付けられない設定を確認します。
ラックアップ時に肩を大きく前へ出さずに済む高さにJフックを調整します。初めて行うときは、補助者やジムのスタッフと、構えから終了までの動作を確認すると取り組みやすくなります。
2.手幅は肩幅前後を起点に調整する
ナローだからといって、両手を近付けるほどよいわけではありません。肩幅前後、またはそこから少し広めを出発点に、手首と肘に無理がない幅を探します。
- 親指をバーに巻き付け、しっかり握る。
- 手首だけが大きく反らないよう、手のひらの付け根寄りでバーを支える。
- 下ろした位置で、正面から見た手首がおおむね肘の上に来るよう調整する。
バーのラインに対してどの指を合わせたかなど、自分の基準を記録すると再現しやすくなります。
3.背中と臀部を安定させ、脚の位置を決める
頭、背中、臀部をベンチに安定させ、肩甲骨を軽く寄せて胸を張ります。膝を曲げ、足を空中に保ったときも、その支持を維持します。
膝を胸に強く引き寄せて臀部が浮いたり、脚を遠くに伸ばして腰の反りが強くなったりする場合は、脚の位置を調整します。腰を無理に平らにすることより、楽に保てる姿勢を反復中も維持することを重視してください。
足を上げるタイミングも、軽い重量で補助者と確認して決めます。重いバーを保持したまま脚を大きく動かすことは避け、毎回同じ手順で構えます。
4.手首と肘の位置を保ちながら下ろす
肘を体側へ押し付けすぎず、左右の前腕でバーを支えながら下ろします。胸に触れる位置は、普段の手幅から変わることがあります。決まった一点へ無理に合わせず、手首と肘が安定する位置を探しましょう。
胸で弾ませず、同じ位置へコントロールして下ろします。肩が前に出たり、痛みが出たりする深さは避け、重量や可動域を調整します。
5.足を振らず、左右をそろえて押す
脚の反動を使わず、背中と臀部の支持を保ちながら押し上げます。肘を伸ばしても肩をすくめず、バーを安定させます。
反復中に大きく揺れ始めたら、そのセットは終了します。最後はバーを安定させ、左右のフックへ確実に戻してから脚や姿勢を変えます。痛みがある動作は中止し、繰り返す場合は専門家に相談してください。
私の実践メニュー|メインセットより約20%軽く、5回をきれいに
私自身は、通常のベンチプレスのメインセットで扱う重量から、20%ほど軽くした重さで足上げナローを行うことが多いです。基準にするのは、そのときのメインセットの重量です。
例えば、ベンチプレスのメインセットが160kgなら、足上げナローは130kgくらい。この重量で、きれいなフォームで5回を行うことを狙い、2〜3セット実施します。
| 取り組み方 | 重量の目安 | 回数・セット |
|---|---|---|
| 普段の基本 | ベンチのメインセットから約20%軽くする。メイン160kgなら約130kg | きれいなフォームで5回×2〜3セット |
| 回数をこなしたいとき | 普段の足上げナローの重量から、さらに約5%軽くする | 8回を狙う |
160kgから20%減らすと計算上は128kgなので、130kgという設定はおおよその目安です。重量の数値とともに、狙った回数をきれいなフォームで行うことを大切にしています。
回数をこなしたい日は、そこからさらに5%ほど軽くして8回を狙います。5回を丁寧に行う日と、少し軽くして反復を増やす日を使い分ける形です。
この実践例では1回だけ挙げられるMAXではなく、メインセットの重量を基準にしています。ご自身の練習に取り入れる際は、次の導入手順で姿勢を確認しながら、扱いやすい重量へ調整してみてください。
初めて取り入れるときの重量の決め方
足上げナローは、足の支持、手幅、可動域が通常のベンチと異なります。「通常のMAXの何割」と一律に決めるより、その姿勢で安定して扱える重さを探す方法が使いやすいです。
- 軽いバーで、ラックアップから戻すまでを確認する。
- 軽い重量で6回ほど行い、手首・肘・体の揺れを確認する。
- 十分に余裕がある場合にだけ、小さく増量する。
- 6〜10回を安定して行え、同じフォームであと2〜3回できそうな重さを練習重量にする。
通常のベンチが100kgでも120kgでも、この手順は同じです。空の20kgバーでも重ければ、軽量バーや足つきナローから始められます。
| 試したセットの状態 | 判断 | 次の対応 |
|---|---|---|
| 6回を安定して行い、十分な余力がある | 動作は保てている | 小さな増量を検討する |
| 6〜10回で、あと2〜3回の余力 | 導入時の候補になる負荷 | 同じ重量で2セット目を確認する |
| 回数はできるが体が大きく揺れる | 姿勢の制御を優先する | 重量を下げる |
| 手首や肘の位置が反復ごとに変わる | 手幅と負荷を見直す | 軽くしてフォームをそろえる |
| 痛みが出る | その動作を中止する | 痛みのない条件を確認し、続く場合は相談する |
回数・セット数・頻度の組み方
以下は補助種目として導入する際のメニュー例です。ウォームアップを除いたセット数で、毎回限界まで行う設定にはしていません。
| 段階・目的 | 回数とセット | 休憩・頻度の出発点 |
|---|---|---|
| 初めて姿勢に慣れる | 軽い負荷で5〜8回×1〜2セット | 休憩2〜3分/週1回 |
| 補助種目として継続する | 6〜10回×2セット | 休憩2〜3分/週1回 |
| 動作が安定し、回復にも余裕がある | 6〜10回×2〜3セット | まずセット数か頻度の一方を調整 |
足上げナローでは、重量の小ささだけで疲労を判断せず、翌回のメインの動きを確認します。インクラインやディップス、通常のナローも行っているなら、胸・肩・腕にかかる負荷を合わせて考えましょう。
重量を増やすタイミングの例
6〜10回を2セットで行う場合、まず同じ重量で回数を伸ばします。両セット10回を同じフォームで行い、あと2回程度の余力もあれば、次回に小さな増量を検討します。
例えば、40kgで8回・8回 → 9回・8回 → 10回・10回と進み、余力を保てたら42.5kgを試す、という流れです。これは説明用の数値例です。42.5kgで6回・6回を安定して行えたら、そこから回数を積み重ねられます。
詳しい判断方法は、筋トレの重量を上げるタイミングも参考にしてください。
週2回のベンチプレスにどう組み込む?
私は普段、週2〜3回程度を標準にして、疲労に合わせて負荷を調整しています。その考え方を取り入れるなら、足上げナローを補助枠の一つとして置くと全体を管理しやすくなります。
以下は週2回の配置例です。各日の間は2〜3日程度空け、通常のベンチをメインにします。
| 日 | メイン | 補助 |
|---|---|---|
| 1日目 | 通常のベンチ:4〜6回×3セット、あと2回程度の余力 | 足上げナロー:6〜10回×2セット、あと2〜3回程度の余力 |
| 2日目 | 通常のベンチ:6〜8回×2〜3セット、余力を保つ | インクラインなどを必要に応じて1種目、1〜2セット |
導入時は、既に行っている補助種目の一部を足上げナローへ置き換えると、全体量を急に増やさずに試せます。通常のベンチ後に体が揺れるほど疲れている日は、足上げナローを減らすか省いて調整します。
MAX更新へ向けた大切な練習の直前に補助を増やすより、通常の練習期間に少量から試すと経過を見やすくなります。頻度の考え方は週2・週3のベンチプレスの組み方で紹介しています。
うまくできないときの調整表
| 気になること | 確認する点 | 調整の候補 |
|---|---|---|
| 手首がつらい | 手幅が極端に狭くないか、手首が反りすぎていないか | 手幅を少し広げ、軽い重量で支え方を確認 |
| 肘が動かしにくい | 肘を体側へ押し付けすぎていないか | 前腕でバーを支えられる位置へ調整 |
| 体が左右に揺れる | 負荷、背中の接地、脚の位置 | 重量を落とし、足つきナローから確認 |
| 臀部が浮く | 膝を胸へ引き寄せすぎていないか | 脚の位置を変え、臀部の接地を維持 |
| 肩が前に出る | 下ろす深さ、負荷、ラックの高さ | 軽い重量で肩の位置を保てる動作を探す |
| 補助は伸びるがメインが重い | 週全体のセット数と回復 | 補助の量を減らし、メインの推移を見る |
動作を修正するときは、一度にすべてを変えず、手幅や重量など一つずつ確認すると、自分に合う条件を見つけやすくなります。
ベンチプレスへの効果はどう振り返る?
補助種目の目的は、メインの強化につなげることです。足上げナローの重量と回数に加えて、通常のベンチの反復、押す感覚、次回までの回復も記録します。
| 記録するもの | 見るポイント |
|---|---|
| 足上げナローの条件 | 手幅、脚の姿勢、胸に下ろす位置 |
| 補助種目の記録 | 重量、各セットの回数、余力、休憩 |
| 通常のベンチの記録 | 同じ重量での回数、軌道、動作の安定 |
| 回復状態 | 次回に疲労が残っているか、痛みがないか |
| 変更した内容 | 導入日、セット数を変えた日、他の補助との入れ替え |
同じ条件で数回の練習を振り返り、補助とメインの両方が進んでいれば、その組み方を続ける判断材料になります。メインに疲労が残る場合は、補助のセット数や置く日を調整します。
よくある質問
足上げナローは上腕三頭筋だけの種目ですか?
大胸筋や三角筋前部も使うプレス種目です。上腕三頭筋を含む押す筋肉を鍛えながら、上半身の支持とバーのコントロールも練習する種目として考えると整理できます。
初心者でも取り入れられますか?
まず通常の足つきベンチと、軽い足つきナローで、構えから終了までを安定させましょう。その動作に慣れてから、軽い足上げナローを少量試すと段階的に取り組めます。
足をベンチの上に置いても同じですか?
足を座面で支える方法と、足を空中に保つ方法では、体を支える条件が変わります。本記事では空中に保つ形を扱っています。自分が行う方法を決め、比較する際は同じ姿勢にそろえましょう。
足上げなら腰への負担は減りますか?
腰の状態は、脚の位置、体の反り、使用重量などによって変わります。腰を守る目的で一律に選ぶより、安定して痛みなく動ける姿勢を優先します。痛みがある場合は、その対処を先に確認してください。
通常のベンチの代わりにしてもよいですか?
通常のベンチの記録を伸ばしたいなら、足で床を押す動作も含めたメインの練習を残し、足上げナローを補助に置くと目的に合います。
何kgできれば、通常のベンチ100kgに届きますか?
足上げナローと通常のベンチは、手幅や足の支持条件が異なります。100kgへの準備は通常のベンチの記録で確認し、足上げナローはその種目の進歩を追いましょう。100kgを目指す際の重量と回数の目安も参考になります。
補助種目として使うなら、まずは少量から
私が有用だと感じている足上げナローは、通常のベンチに近い動作で、練習条件を変えられる補助種目です。
軽い重量で手幅と姿勢を決める → 6〜10回を2セット程度から行う → 通常のベンチの動きと回復を確認する。この流れで、自分の練習に合う量を探してみてください。
補助種目全体の選び方は愛用4種目の効果と目的別の選び方、これまでの経験は100kg・120kgの壁を越え、180kgまでに学んだことにまとめています。



