筋トレのメニューを調べていると、「全身法がよい」「分割法がおすすめ」という意見を見かけます。自分にはどちらが合うのか、迷う方も多いと思います。
週2回なら全身法、週3回なら全身法または全身法と分割法の組み合わせ、週4回なら上半身・下半身の2分割を出発点にすると、予定を組みやすくなります。これは通いやすさと練習の配分を考えた提案です。
私は週2〜3回のジム通いを基本にしています。回数を増やすと疲労が抜けにくいため、しっかり負荷をかける日と、軽い重量で感覚を確かめる日を状況に合わせて調整しています。
この記事では、全身法と分割法の違い、研究で分かっていること、週2・週3・週4回の具体的なメニュー例をまとめます。通える曜日と1回に使える時間から、自分に合う組み方を選んでみてください。
全身法と分割法はどっち?通える日数から選ぶ早見表
| 通える日数・状況 | 最初の候補 | 組み方の例 |
|---|---|---|
| 週2回・予定が変わりやすい | 全身法 | 火曜A・金曜B。両日とも脚・胸・背中を練習 |
| 週3回・基本種目を繰り返し覚えたい | 全身法 | 月曜A・水曜B・金曜A。翌週はB・A・B |
| 週3回・1日に練習する部位を絞る日も作りたい | 上半身+下半身+全身 | 月曜上半身・水曜下半身・土曜全身 |
| 週4回・1回のメニューを分けたい | 上半身/下半身の2分割 | 月曜上半身・火曜下半身・木曜上半身・金曜下半身 |
| 連続した2日しか通えない | 上半身/下半身など | 土曜上半身・日曜下半身。曜日の制約を優先 |
| ベンチプレスなど特定種目を伸ばしたい | 種目の練習頻度も別に設計 | 全身法・分割法のどちらでも、主種目を週内に配置 |
「週にジムへ行く回数」と「同じ筋肉を鍛える回数」は分けて考えます。週4回通っても胸・背中・肩・脚をそれぞれ別日にすれば、各部位の主な練習は週1回です。一方、週2回の全身法なら、主要な部位に週2回取り組めます。
全身法・分割法とは?違いを整理
全身法:1回のトレーニングで主要な部位を広く鍛える
全身法は、1回の中に脚の種目、胸などの押す種目、背中などの引く種目を組み合わせる方法です。毎回すべての筋肉を個別種目で鍛える必要はなく、主要な部位を広くカバーするイメージです。
たとえば「レッグプレス・チェストプレス・ロウ・レッグカール」を基本に、肩、ふくらはぎ、体幹などを組み合わせます。少ない通所回数でも、複数の部位を繰り返し練習する予定を立てやすいのが特徴です。
分割法:鍛える部位や動作を日ごとに分ける
分割法は、上半身と下半身、押す動作と引く動作などに分ける方法です。代表的なものに、上半身/下半身の2分割や、プッシュ/プル/レッグの3分割があります。
プッシュは胸・肩・上腕三頭筋を使う押す動作、プルは背中・上腕二頭筋を使う引く動作、レッグは脚の練習が中心です。種目間で使う筋肉は重なるので、週間の負荷も見ながら配分します。
| 比較項目 | 全身法 | 分割法 |
|---|---|---|
| 1回の範囲 | 主要な部位を広く扱う | その日の対象部位に集中 |
| 予定の立て方 | 少ない日数でも全身を複数回練習しやすい | 通える日数に合わせて部位を配分 |
| 1回の時間 | 種目を増やすと長くなる | 同じ週間量を多くの日に分ければ短くしやすい |
| 疲労の感じ方 | 複数の部位を使うため全体の量を調整 | 対象部位に量が集中しやすい |
| 欠席した場合 | 実施できた日にも全身を練習できる | 次回へ順番を繰り越すと部位の抜けを防ぎやすい |
| 向いている使い方 | 習慣化、基本動作の反復、週2〜3回 | 週内の量の分散、部位ごとの種目追加 |
研究では、全身法と分割法の効果はどう比較されている?
2024年のRamos-Campoらのメタ分析は、健康な成人392人を含む14研究をまとめています。トレーニング量をそろえた比較では、全身法と分割法の間で、筋力向上や筋肥大に統計的に有意な差は認められませんでした。どちらの方法でも成果を目指せるという結果です。研究概要:全身法と分割法の比較(2024年)
実際のメニュー選びでは、この結果を「自分の予定に合う方法を選び、練習量と継続性を整える」と生かせます。種目、負荷、回数、週間のセット数を確認しながら、自分が取り組みやすい形に配分しましょう。
ACSMの2026年の案内でも、主要な筋群を週2回以上鍛えることや、継続できる計画の重要性が示されています。ACSM:2026年のレジスタンストレーニング指針
同じ週間セット数を、何日に分けるかで考える
たとえば胸を主に狙う種目を、週に合計6セット行うとします。分け方は次のように変えられます。
| 配分例 | 胸のセット数 | 週間合計 |
|---|---|---|
| 週2回の全身法 | 1日3セット×2日 | 6セット |
| 週3回の全身法 | 1日2セット×3日 | 6セット |
| 週4回の上下半身分割 | 上半身の日に3セット×2日 | 6セット |
これは配分を理解するための例です。同じセット数でも、重量・回数・フォーム・どの程度の余力を残すかで内容は変わります。まずは同じ種目の記録を比べ、自分が回復できる量を探すと調整しやすくなります。ベンチプレスで三頭筋も使うように、複数の種目で重なる負荷も考慮します。
メニュー例に共通する重量・休憩・進め方
ここからは、ジムで基本種目を覚えながら全身を鍛えたい方に向けた組み方の例です。ご自身が使い方を習得した種目を選び、マシンへの置き換えも活用してください。
- 回数の読み方:「8〜12回×2セット」は、8〜12回を1セットとして2回行う意味です。ウォーミングアップは別に行います。
- 最初の重量:目標回数を終えても、同じフォームであと2〜3回ほどできそうな重さを出発点にします。初回は軽く動かし、器具の調整と動作を確認します。
- セット数:初めての種目は1セットから慣れ、提示した2セットへ進めても構いません。
- 休憩:脚の大きな種目やプレス・ロウは2〜3分、小さな部位の種目は1〜2分を出発点に、次のセットを安定して行えるまで休みます。
- 安全の準備:バーベル種目ではセーフティーの設定を確認します。鋭い痛みが出たら中断し、痛みが続く場合は医療機関へ相談してください。
「全種目を限界まで行う」より、まずは予定した回数を安定したフォームでそろえることを目標にします。習得段階と疲労に合わせて調整するためのメニューです。
週2回のメニュー例:全身法A・B
例:火曜日A・金曜日B。間に休みを入れ、脚・胸・背中を両日とも練習します。1回の時間は準備と休憩を含めて、おおむね45〜70分を計画上の目安にします。混雑や器具の説明を受ける時間によって調整してください。
A:水平に押す・引く動作を中心に
| 種目 | 回数×セット | 狙い・選び方 |
|---|---|---|
| レッグプレス | 8〜12回×2セット | 脚・お尻。座席と可動範囲を確認 |
| ベンチプレス/チェストプレス | 8〜12回×2セット | 胸を中心とした押す動作。どちらか一つ |
| シーテッドロウ | 8〜12回×2セット | 背中を中心とした引く動作 |
| レッグカール | 10〜15回×2セット | 太ももの裏 |
| カーフレイズ | 10〜15回×2セット | ふくらはぎ |
| プランク | 15〜30秒×2セット | 呼吸を続け、姿勢を保てる時間で実施 |
B:別の角度から押す・引く動作を練習
| 種目 | 回数×セット | 狙い・選び方 |
|---|---|---|
| ゴブレットスクワット/レッグプレス | 8〜12回×2セット | 脚・お尻。習得状況に合わせて一つ選択 |
| インクラインダンベルプレス/チェストプレス | 8〜12回×2セット | 胸を中心とした押す動作 |
| ラットプルダウン | 8〜12回×2セット | 上から引く動作 |
| レッグカール | 10〜15回×2セット | 太ももの裏 |
| サイドレイズ | 10〜15回×2セット | 肩の横。軽い重量から |
| カーフレイズ | 10〜15回×2セット | ふくらはぎ |
表の「/」は、どちらか一つを選ぶ意味です。ベンチプレスやスクワットが初めてなら、指導を受けられる機会を使って覚えていきましょう。マシン中心の組み方でも始められます。
この例では、胸を主に使うプレスが週4セット、背中の引く種目が週4セットです。最初は続けやすい量から始め、記録と回復を確認して増やす考え方です。慣れて余裕があるなら、伸ばしたい部位の種目を1セット増やすなど、一つずつ変更します。
週3回のメニュー例:全身法と組み合わせ型の2パターン
パターン1:全身法A・Bを交互に行う
| 週 | 月曜 | 水曜 | 金曜 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 全身A | 全身B | 全身A |
| 2週目 | 全身B | 全身A | 全身B |
上のA・Bを交互に行う組み方です。同じ部位に週3回触れながら、種目のバリエーションを持たせられます。
週2回から3回に増やす際は、回数を増やした分、1回の量を調整すると移行しやすくなります。たとえば胸の週間量を4セットに保つなら、3日に「2・1・1セット」と配分できます。週3回で各2セットなら週6セットとなるため、疲労と進歩を確認しながら選びます。
パターン2:上半身・下半身・全身に分ける
1日ごとの対象を絞りつつ、週の最後に全身へ取り組む方法です。各主要部位を週2回練習する配置を作れます。
| 曜日 | 内容 | メニュー例 |
|---|---|---|
| 月曜 | 上半身 | チェストプレス、シーテッドロウ、ラットプルダウン、サイドレイズ |
| 水曜 | 下半身 | レッグプレス、レッグカール、カーフレイズ、プランク |
| 土曜 | 全身 | レッグプレス、レッグカール、チェストプレス、シーテッドロウ、カーフレイズ |
筋トレ種目は各8〜12回×2セット、レッグカール・サイドレイズ・カーフレイズは10〜15回×2セット、プランクは15〜30秒×2セットを例にできます。このパターンを選ぶ週は、前述のA・B交互メニューと置き換えます。
「平日は対象を絞って練習し、週末は全身に取り組む」と考えると、生活に合わせやすい方もいると思います。
週4回のメニュー例:上半身・下半身の2分割
例:月曜上半身A・火曜下半身A・木曜上半身B・金曜下半身B。水曜と週末に休みを置く配置です。主要部位を週2回扱い、1回の対象を絞れます。
上半身A・B
| 日 | 種目 | 回数×セット |
|---|---|---|
| 上半身A | ベンチプレス/チェストプレス | 8〜12回×2セット |
| 上半身A | シーテッドロウ | 8〜12回×2セット |
| 上半身A | ラットプルダウン | 8〜12回×2セット |
| 上半身A | サイドレイズ | 10〜15回×2セット |
| 上半身A | バーベルカール/ダンベルカール | 10〜15回×2セット |
| 上半身B | インクラインダンベルプレス/チェストプレス | 8〜12回×2セット |
| 上半身B | シーテッドロウ | 8〜12回×2セット |
| 上半身B | ラットプルダウン | 8〜12回×2セット |
| 上半身B | サイドレイズ | 10〜15回×2セット |
| 上半身B | ケーブルプレスダウン | 10〜15回×2セット |
下半身A・B
| 日 | 種目 | 回数×セット |
|---|---|---|
| 下半身A | レッグプレス | 8〜12回×2セット |
| 下半身A | レッグカール | 10〜15回×2セット |
| 下半身A | カーフレイズ | 10〜15回×2セット |
| 下半身A | プランク | 15〜30秒×2セット |
| 下半身B | ゴブレットスクワット/レッグプレス | 8〜12回×2セット |
| 下半身B | レッグカール | 10〜15回×2セット |
| 下半身B | カーフレイズ | 10〜15回×2セット |
| 下半身B | プランク | 15〜30秒×2セット |
これも量を控えめにした開始例です。週2回の例より腕や背中の種目を増やしているため、各メニューは同じ週間量で効果を比較する実験ではなく、通い方に合わせた選択肢として使ってください。
分割法へ変えるときは、まず今の週間セット数を上半身・下半身の日へ配り直してみましょう。回復や時間に余裕がある部位へ少しずつ追加すると、変更の影響を把握しやすくなります。
重量・セット数はいつ増やす?
同じ種目を続ける中で、回数とフォームが安定してきたら負荷を調整します。たとえば「8〜12回×2セット」の場合は、次のように考えられます。
| 記録・状態 | 次回の進め方 |
|---|---|
| 10回・9回でフォームが安定 | 同じ重量で、合計回数を少し増やすことを目指す |
| 12回・12回を安定して行え、余力もある | 利用できる小さな刻みで重量を増やし、8回前後から確認 |
| 途中からフォームが崩れる | 重量を下げ、動作と回数をそろえる |
| 数回続けて回数が落ち、疲労も残る | 重量やセット数を軽くし、回復を確認 |
| 数週間安定して取り組め、対象部位に余裕がある | 必要に応じて週のセット数を少し追加 |
重量・回数・セット数を同時に大きく増やさず、変更を一つずつ記録すると、自分に合う進め方が見つかります。詳しくは筋トレの重量を上げるタイミングと増やし方をご覧ください。
予定が変わった週・疲れが残る週の調整方法
分割法の日を休んだら、順番を次回へ繰り越す
月曜上半身・火曜下半身の予定で火曜に行けなかった場合は、木曜に下半身を行うなど、未実施の順番を次回へ回します。曜日を固定するより、上半身と下半身の練習が偏りにくくなります。
週4回の予定が、しばらく週2回になったら
次の数週間も週2回になりそうなら、全身法A・Bへ組み直す方法があります。最初は、すでに習得している脚・胸・背中の種目を選び、1回に全日分のセットを詰め込まず、実施できる量へ整えましょう。
土日だけ通うなら、連続日でも組める分割を使う
土曜上半身・日曜下半身なら、主に鍛える部位を分けられます。この場合、各部位の主な練習は週1回です。まず生活の中で続け、平日に短い練習を追加できる時期が来たら再配分する、と考えられます。
時間が短い日は、優先種目から行う
全身法なら脚・押す動作・引く動作を先に配置し、時間に応じて追加種目を調整します。ベンチプレスの向上を優先したい日には、ウォーミングアップ後の早い段階にベンチプレスを置く方法もあります。
私の実践:週2〜3回を基本に、負荷を柔軟に変える
私自身は、週2〜3回程度を標準としています。それ以上増やすと疲労が抜けにくいことがあるためです。ベンチプレス180kg程度には、週2回程度のジム通いを軸に約3年で到達しました。学生時代のトレーニング経験も土台になっています。
記録を狙う時期は、しっかり負荷をかける練習を週1〜2日にまとめ、ほかの日は軽い重量で感覚を保つことがあります。通う回数を増やす週でも、テクニックや感覚を重視し、1回の負荷を小さくすることがあります。
この経験から、メニュー選びでも「回数を増やす」「部位を細かく分ける」といった形に加えて、練習後の回復と次回の動きを見ることを大切にしています。上に掲載した全身のメニューは読者向けの組み方の例で、私の週間メニューそのものはベンチプレスの頻度と負荷の考え方で紹介している実践を軸に調整しています。
全身法と分割法についてよくある質問
初心者は全身法から始めるべきですか?
週2〜3回通えるなら、全身法は選びやすい出発点です。基本的な種目を繰り返し練習できます。連続した曜日しか通えない場合や、1回の対象を絞りたい場合は、上下半身の分割も候補になります。
中級者になったら分割法へ変えたほうがよいですか?
経験年数で切り替えを決める必要はありません。全身法で練習時間が長くなった、特定部位の種目を増やしたい、週4回を確保できる、といった変化があれば分割法を検討できます。現在の方法で記録が伸び、続けやすいなら、その組み方を磨く選択もできます。
週3回のプッシュ・プル・レッグはどうですか?
押す・引く・脚に集中して練習したい方の選択肢です。週3回で各日を1回ずつ行うと、各部位の主な練習は週1回になります。基本動作を週に複数回練習したい場合は、全身法や「上半身・下半身・全身」を比較してみてください。
全身法は毎回同じ種目でもよいですか?
基本種目を覚える段階では、同じ種目を繰り返す方法も取り入れられます。慣れてきたら、ロウとラットプルダウン、フラットとインクラインなど、動作や角度を組み合わせるとメニューの幅が広がります。
全身法と5×5法は併用できますか?
併用できます。全身法は部位の配分、5×5法は種目のセットの組み方を表します。主種目を5回×5セットにする場合は、その分の練習量を考えて補助種目を調整します。具体的な組み方は5×5法とほかのセット法の比較にまとめています。
自分に合う方法を選び、記録を見ながら育てる
最初に、毎週確保できる曜日と時間を書いてみましょう。週2回なら全身法A・B、週3回なら全身法または組み合わせ型、週4回なら上下半身分割を出発点に、使い慣れた種目を当てはめます。
数週間取り組み、予定を実行できたか、フォームや回数が安定してきたか、疲労から回復できているかを確認します。その記録をもとに、重量・セット数・日数を少しずつ調整していきましょう。
生活に組み込む工夫は、仕事と筋トレを両立する考え方も参考にしてください。
参考文献
- Ramos-Campo DJ, et al. (2024). Efficacy of Split Versus Full-Body Resistance Training on Strength and Muscle Growth: A Systematic Review With Meta-Analysis. Journal of Strength and Conditioning Research, 38(7), 1330–1340. PubMed
- American College of Sports Medicine (2026). ACSM Publishes Updated Resistance Training Guidelines



