筋トレ

筋トレさんに伝えたい!正しいプロテインの摂取量と摂取法 最新の学術研究を引用

こんにちはモスです。

みなさん筋トレがんばってますか?
自粛も少しづつ解けてきたとはいえ、まだまだジムもフル稼働じゃないし、それぞれ工夫して、筋トレに励んでいることかと思います。

本日は、ジムなどに通い、筋肉を鍛えている方々に伝えたい、正しいタンパク質の摂取量とその摂取法について紹介します!

この記事は

こんな人におすすめ

プロテイン飲んでいるけど、量とか、タイミングとか適当。
プロテイン飲んでいるけど、いつ、どれくらい飲めばいいのか情報がいっぱいあってわからない
プロテインも安くないから、できるだけ効率的に取りたい

という人にぜひとも読んでほしいです。

※用語の注意で、プロテインとタンパク質は、本来同じ意味ですが、本記事では、きちんと区別する意味で下記の使い分けをしています。

タンパク質:体に必要な栄養素の意味
プロテイン:ホエイプロテインなど、粉等のサプリメントの意味

プロテイン摂取に対する課題認識

この手の、タンパク質の摂取量や摂取法については、ググるといくらでもでてくるので、情報で困ることはありません。

おおよそ書かれていることをまとめると

軽い運動している人
体重1kgあたり1.2~1.5g(体重70㎏の人なら84~105g)
筋トレをしっかりしている人
体重1kgあたり2gが必要摂取量(体重70㎏の人なら140g)

1回あたり、20g以下

タイミングは、
1.起床後や朝食の補完に
2.運動後30分以内に
3.食後、捕食として

といったところです。

私が思う上記の課題認識は

①数値そのものが、記事によって結構違うこと

②リファレンスがはっきりしないこと

①でいえば、情報量が多いので、逆に、どの数値を信用するのか、適用するかが非常に迷います。
タンパク質の摂取量については、上記の、筋トレしている人で、体重1kgあたり2gや、1.2g-1.7g、ものによっては、2.4gといったように、結構数値に差があります。

その場合、②のリファレンスがあれば、その数値の根拠を確認できるのですが、今回取り上げるタンパク質の摂取量については、リファレンス情報が特に無いことが多かったです。

そこで、本記事では、

個々人の特性(体重やその人の食生活)に合わせた、

正しいタンパク質の摂取量や摂取法について、エビデンス(証拠)ベースでまとめてみたい

と思い記事にしました。

上記について、いくつかの基本となる学術研究の結果や、2017年から2019年ごろの最新の学術研究の結果を引用しながらまとめていきたいと思います。

 

筋トレ実施者におけるタンパク質の1日の必要摂取量は何g?

まず、筋トレをする人における、タンパク質の1日の必要摂取量について見ていきます。

紹介する論文は、

Effect of Protein Intake on Strength, Body Composition and Endocrine Changes in Strength/Power Athletes
意訳:アスリートにおけるプロテイン摂取が、筋力、体組成、内分泌ホルモンに与える影響
J Int Soc Sports Nutr. 2006; 3(2): 12–18.

この論文はリンクから全文無料で読むことができますので、英語が得意な方はぜひ参照してください。個人的にはこの論文は、客観的によくまとめられた論文かと思っています。

まず、この研究では、23人の2年以上の経験を持つ、陸上競技ならびに、フットボールの大学アスリートを対象に実施しています。

研究の特徴は

・対象を3つのグループに分ける

・各グループのタンパク質摂取量を以下のように設定
推奨摂取量以下のグループ(BL) 1.0 – 1.4 g/kg⋅day
推奨摂取量同等のグループ(RL) 1.6 – 1.8 g/kg⋅day
推奨摂取量以上のグループ(AL) >2.0 g/kg⋅day

・期間は3か月で、週4日の筋トレメニューを実施
・ベンチプレス、スクワットの1RM重量で変化を評価

実際の検証においては、下記のタンパク質摂取量となっています。
推奨摂取量以下のグループ(BL)
1.19 ± 0.14 g/kg⋅day
推奨摂取量同等のグループ(RL)
1.74 ± 0.13 g/kg⋅day
推奨摂取量以上のグループ(AL)
2.36 ± 0.44 g/kg⋅day

結果を見ていきます。

まずはスクワット(1RM)の結果

対象群 検証前
kg
検証後
kg
変化量
kg
推奨摂取量
以下 BL
166.9
± 23.0
180.2
± 17.1
13.3
± 11.9
推奨摂取量
同等 RL
146.8
± 21.8
164.6
± 30.2
17.8
± 16.8
推奨摂取量
以上 AL
175.3
± 45.5
197.1
± 40.1
21.7
± 12.4

結果は、論文中のTable3を改変

次にベンチプレス(1RM)の結果

対象群 検証前
kg
検証後
kg
変化量
kg
推奨摂取量
以下 BL
123.6
± 13.4
132.1
± 10.6
8.5
± 5.5
推奨摂取量
同等 RL
113.3
± 17.6
121.4
± 18.8
8.1
± 6.5
推奨摂取量
以上 AL
132.4
± 24.1
143.9
± 21.7
11.5
± 8.0

結果は、論文中のTable3を改変 赤字は、統計的にRL群よりも優位差が認められたもの

上記の表を見ると、どのタンパク質摂取量の群においても、3か月の筋トレによって、筋力が増加していることがわかります。

確かに、タンパク質摂取量が増えると、平均的には筋力の増加がより大きくなっているようにみえます。ただし、統計的にいうと、有意な効果と認められたものは、推奨摂取量以上を摂取したベンチプレスのみとなります。

論文の結論としても、推奨摂取量(1.6 – 1.8 g/kg⋅day)を超えたタンパク質の摂取は、筋力に、プラスの効果を与えないとしています

2017年の別の研究グループの報告を見てみると、
The short-term effect of high versus moderate protein intake on recovery after strength training in resistance-trained individuals
意訳:筋トレ経験者におけるタンパク質摂取量の違いが筋トレ後の回復に与える短期的影響
J Int Soc Sports Nutr. 2017; 14: 44.

タンパク質摂取 1.8 g/kg⋅dayの群と、2.9 g/kg⋅dayの群で、上記論文と同様に、スクワット、ベンチプレス、加えてベントオーバーローイングの結果をまとめていますが、両者でまったく違いは見られていません

上記2報の論文は、トレーニング初心者ではなく、アスリートやトレーニング経験者を対象とした結果であり、その中においても、タンパク質の過剰摂取(目安としては2.2g/kg⋅day以上)は意味がないと言えそうです。

※この2.2g/kg⋅dayという数値は、上記論文の範囲であることと、下記論文で、タンパク質摂取量の意味のある量について示された95%信頼区間(得られた結果が間違っている可能性は5%未満)の上限値からとってきています。

Indicator Amino Acid-Derived Estimate of Dietary Protein Requirement for Male Bodybuilders on a Nontraining Day Is Several-Fold Greater Than the Current Recommended Dietary Allowance
J Nutr. 2017 May;147(5):850-857.

まとめます。

アスリート、筋トレ実施者におけるタンパク質の1日の摂取量については

1.体重1kg当たり 1.6 – 1.8 gを目安に組み立てよう
2.それ以上の摂取は、筋トレの効果にプラスの効果を与えない
 (特に2.2g/kg⋅day以上)

おまけ
3.体重1kg当たり1.2g程度でも、上記と同等の筋力向上はするので、最低でも、この量は、摂取するようにしよう

タンパク質の摂取量を1.6 – 1.8g/kg-体重としたときの、体重別の1日のタンパク質摂取量を下記にまとめましたので、参考にどうぞ。

体重 kg タンパク質
摂取量の目安 g/日
1.6g/kg-体重
タンパク質
摂取量の目安 g/日
1.8g/kg-体重
50 80 90
55 88 99
60 96 108
65 104 117
70 112 126
75 120 135
80 128 144
85 136 153
90 144 162

この表は、実は、非常に重要で、タンパク質の摂取を積極的に活用したほうがいいのではないかという示唆を与えてくれます。答えは、3食の食事でこの量が十分に摂取できるかです。

 

1回の食事、サプリで摂取すべきタンパク質の量は?

1日に必要なタンパク質の摂取量を踏まえたうえで、1回の食事、サプリで摂取すべきタンパク質の量、これが、本記事でもっとも重要なポイントと思っています。

1食あたり、タンパク質 20g以下

この部分については、最新の学術論文の結果からみると、少し考え方が変わってきているようです。

当然抱く疑問として、

1日に必要なタンパク質量は、体重1kg当たりで、体格に応じた計算ができるけど、1食あたりは、関係なく20gなのか?

という点です。この部分について、学術研究の結果について、どういう見解なのか見ていきます。

この疑問に、非常に明快に答えてくれる素晴らしい論文があったので、それを紹介したいと思います。

How much protein can the body use in a single meal for muscle-building? Implications for daily protein distribution
意訳:筋力増強のために1回の食事からとるべきタンパク質の量は?
(直訳が気持ち悪いので、かなり意訳)
J Int Soc Sports Nutr 15, 10 (2018)

この論文は、レビュー論文(過去のいろいろな研究結果を参照しながら、あるトピックについてまとめたもの)で、1回の食事で、体が利用できるタンパク質の量について、まとめてあり、まさに今回の疑問に答えてくれそうです。

1食あたり、タンパク質 20gの根拠は?

1回あたりのタンパク質の摂取量は20gが望ましい。

これは、よく聞かれることですが、これは、下記の論文の結果がその根拠としてよく引用されるようです。

Timing and distribution of protein ingestion during prolonged recovery from resistance exercise alters myofibrillar protein synthesis.
意訳:レジスタンストレーニング後の回復期におけるプロテインの摂取タイミングが筋タンパク合成の効率を変える
J Physiol. 2013;591(Pt 9):2319 – 31.

この論文では、筋トレ後に、計80gのプロテインを摂取するにあたり

・10gを1.5時間毎
・20gを3時間毎
・40gを6時間毎

としたときの、筋タンパク合成(Muscle Protein Synthesis:MPS)速度を測定しています。

結果は、20gを3時間毎に摂取したグループが最も高いMPSを示し、40gでは、追加の効果が得られなかったとなっています。

この20gを超えた分は、エネルギー源として使われたり、他の代謝物に変換され使われたりするようですが、すべてがそうなるわけではなく、20グラムを超えた分のいくらかは、筋タンパク合成にも寄与するとのことです。

1食あたりのタンパク質の摂取量も単なるg数ではなく、体重1kg当たりのg数で定義するべき

まだ、

1日に必要なタンパク質の摂取量は、体重1kg当たりで、体格に応じた計算ができるけど、1食あたりは、関係なく20gなのか?

この疑問に答えていません。

この上記の論文では、ちゃんと結論にこう書かれています。

1食あたりのタンパク質の摂取量は、体重1kg当たり、0.4 gが望ましい。

この数値もう少し補足したいと思います。この数値の根拠となっているのは、2015年にDaniel R. Mooreの研究グループの報告ですが、本研究グループから2019年に追加の報告が出ています。

Maximizing Post-exercise Anabolism: The Case for Relative Protein Intakes
意訳:運動後の筋タンパク合成を最大化する;プロテイン摂取の効果
Front. Nutr., 10 September 2019

本論文での結論は、

筋タンパク合成(MPS)を最大化し、摂取したタンパク質のエネルギー化などを最小化するためには、

1食あたりのタンパク質の摂取量は、

体重1kg当たり、0.31 g
(ただし、食事から、ソイプロテインから等の吸収の遅いタンパク質の場合は0.4gが目安)

この数値は、男女差や、炭水化物の摂取、被験者の筋肉量に依存しないとしています。

この数値をベースに、1食あたりの推奨されるタンパク質の摂取量を体重別にまとめました。

体重 kg プロテイン量 g
0.31g/kg-体重
(プロテインの場合)
プロテイン量 g
0.4g/kg-体重
(食事、ソイプロテイン等)
50 15.5 20
55 17.1 22
60 18.6 24
65 20.2 26
70 21.7 28
75 23.3 30
80 24.8 32
85 26.4 34
90 27.9 36

※ 繰り返しになりますが、ホエイプロテインではなく、ソイプロテインやガゼインタンパク等(一般の食事からとるタンパク質なども)の場合は、0.4g/kg-体重の摂取量を参照してもよいと述べています。

この表を見れば、例えば、体重の軽い人は、1回あたりのタンパク質の摂取量が少なくなりますし、逆に体重の多い人は、1回あたりのタンパク質の摂取量が多くなり、個々人の体重に合わせた摂取量を確認することができます

1日のタンパク質の摂取の組み方

3食+プロテインサプリメントをおすすめ

それでは、1食あたりのタンパク質の摂取量がわかったところで、1日全体として考えたときにどのように摂取するべきかを考えます。

下の表は、体重別の1日のタンパク質の摂取量ならびに、1回あたりのプロテイン量をまとめたものです。

体重 kg タンパク質
摂取量の目安 g/日
1.6g/kg-体重
タンパク質
摂取量の目安 g/日
1.8g/kg-体重
50 80 90
55 88 99
60 96 108
65 104 117
70 112 126
75 120 135
80 128 144
85 136 153
90 144 162

 

体重 kg 1回あたり
タンパク質摂取量 g
0.31g/kg-体重
1回あたり
タンパク質摂取量 g
0.4g/kg-体重
50 15.5 20
55 17.1 22
60 18.6 24
65 20.2 26
70 21.7 28
75 23.3 30
80 24.8 32
85 26.4 34
90 27.9 36

 

重要なことは、

仮に3回の食事からタンパク質を摂取した場合、どの体重群でも、1日のタンパク質の摂取量が、20gから50g程度足りなくなる計算になります

この足りない部分を、サプリメントで補うというのが基本的な考え方です。

この部分が基本の考え方になりますので、繰り返しでまとめます。

1日におけるタンパク質摂取の基本的考え方

①朝、昼、晩の3回の食事で、しっかりとタンパク質を含めた栄養をしっかりと摂取する
②それでも足りない、20g~50gのタンパク質をプロテインサプリメント等で補給する

プロテインサプリメントは食間か、トレーニング前後または就寝前に摂取する

さて、最後に、サプリメントとして摂取するプロテインの摂取タイミングについてまとめていきます。

1日に2回のプロテインサプリメントを摂取する場合の、基本の考え方は、

① トレーニング前後(食事のタイミングで前か後かを決める)

② 朝

② 就寝前(筋トレをした日)

①は、筋トレを開始する時間3時間以上前に、食事をした場合は、トレーニング前にプロテインを、食事直後とか1、2時間以内に筋トレをする場合は、トレーニング後にプロテインを摂取するという意味です。

これは、体の中のタンパク質から作られたアミノ酸が枯渇するタイミングにプロテインを摂取するという考え方です。

②は、朝食の補食としての意味合いです。朝食で、30g前後のタンパク質を摂取することは意外と難しいです。その時にプロテインをうまく活用すると必要なタンパク質を簡単に摂取することができます。私の場合、特に筋トレをした次の日の朝は、しっかりとタンパク質を摂取したいので、必ず、朝食と一緒に20gのプロテインを摂取することを心掛けています。

また③の就寝後は、おおよそ次の食事(朝食までに)、6時間から8時間程度、時間があくため、体のなかのアミノ酸が欠乏しやすい状態になります。もう少し正確に言いますと、プロテイン合成速度<プロテイン分解速度の状態になります。それを、プロテイン摂取により、プロテイン合成速度>プロテイン分解速度の状態にする目的です。

ただ1つ注意したいのは、減量中の人は、就寝前のプロテイン摂取(正確にはカロリー摂取)は避けたほうがよさようです。

下記記事に、詳細が載っていますので、興味のある方は是非参照ください。

【ダイエット】時間制限断食(プチ断食)の効果と正しい実施方法こんにちは、モスです。 みなさん、毎日の食事の時間は気にしてますか? 何気なく、朝起きたら食べて、仕事が終わって帰ったら食べる方...

また、毎日就寝前に飲むこともあまりおすすめしません。上記にあるとおり、筋トレをした日のみとかある程度制限したほうが良いと思います。理由は、肝臓を休めるためです。私自身も就寝前のプロテイン(EAA+グルタミンの時も多々あり)は、筋トレをした日に限定しています。

 

さて、今回、記事としては、かなり長くなってしまいましたが、最新の論文をまとめていく過程で、自分としても、1回あたりのタンパク質摂取量の考え方など、かなりためになるところがありました。

この記事を、根気よくここまで読んでくださった心優しい方にも、少しでも役に立つ情報があれば幸いです。

もし、不明点や、疑問点等ありましたら、遠慮なく、お問い合わせや、ツイッターのDM等でお知らせいただければと思います。