「糖質制限(ローカーボ)と脂質制限(ローファット)、痩せるなら結局どっちがいいの?」

ダイエットを始めるとき、誰もが一度はぶつかる疑問ですよね。

この記事では、個人の感想やイメージではなく、スタンフォード大学をはじめとする海外研究機関のランダム化比較試験(RCT)やメタアナリシス(計40件以上の研究データ)をもとに、低糖質と低脂質の効果や注意点を徹底検証・比較します。

【この記事を書いた人】
化学メーカーで10年以上の研究開発の経験を持つエンジニア兼データサイエンティスト

データサイエンスや分析の手法を活用しながら、自身も週2回のウエイトトレーニング(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト等)を継続実践中。低糖質・低脂質の両方のダイエットを自ら検証した実体験と、科学的根拠(エビデンス)を掛け合わせて解説します。

3秒でわかる!この記事の結論

先に学術研究から見えてきた結論をお伝えします。

  1. 体重減少効果は「ほぼ互角」(わずかに低糖質優位なデータもあるが、実生活では誤差の範囲)
  2. どちらの方法でも正しく行えばしっかり痩せる
  3. 低糖質ダイエットは「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の増加」を招くリスクがある

「じゃあ低糖質はダメなの?」というとそうではありません。大切なのは「やりすぎないこと」と「自分の現在の食事傾向に合わせること」です。

そもそも一番大事な原則:「消費カロリー > 摂取カロリー」

具体的な研究データの前に、大前提として知っておいていただきたい原則があります。

私が過去の記事でも繰り返しお伝えしている通り、ダイエットの根本的な本質は「消費カロリー > 摂取カロリー」です。

どれだけ話題のダイエット法を試しても、摂取カロリーが消費カロリーを上回っていれば痩せることはありません。低糖質・低脂質というのは、あくまで「カロリーコントロールを達成するためのアプローチ方法(手段)」に過ぎません。

では、その手段としてどちらが優れているのか、最新の学術論文を見ていきましょう。

低糖質 vs 低脂質 ダイエットに関する3つの学術研究

今回ピックアップしたのは、信頼性の高い海外の主要論文3本です。

比較対象となった論文一覧

論文研究手法期間主な結果注意点・特記事項研究機関
論文1ランダム化比較試験(RCT)6ヶ月有意な差なし低糖質によるLDL増加に注意スタンフォード大学医学部
論文2メタアナリシス6〜24ヶ月低糖質がやや優位(-2.1kg)低糖質によるLDL増加に注意オスロ大学医学部
論文3メタアナリシス2〜24ヶ月わずかに低糖質が優位33報の大規模データを解析ライデン大学

(※注釈)

  • ランダム化比較試験(RCT): 被験者をランダムにグループ分けして客観的に効果を比較する、信頼性の高い実験手法。
  • メタアナリシス: 複数の研究結果を統合して統計解析する手法。母数が増えるため非常に高い信頼性を持ちます。

各論文から見えてきた「事実」

論文1:Stanford University Medical School (2016)

被験者を低糖質群と低脂質群に分け、6ヶ月間の体重変化を追跡したRCT研究です。

  • 低糖質グループ: 平均 -9.6kg 〜 -8.6kg の減少
  • 低脂質グループ: 平均 -7.4kg 〜 -10.4kg の減少

結論として、どちらのグループも大きく体重が減少したものの、両者の間に統計的な「優意な差」は見られませんでした。どちらの方法を選んでも、同じように痩せられることが示されています。

出典: Obesity (2016) 24, 79–86

論文2:Faculty of Medicine, University of Oslo (2016)

11報のRCT(検証期間6〜24ヶ月)を統合解析したメタアナリシスです。

  • 11報中 7報:低糖質が優位
  • 11報中 2報:低脂質が優位
  • 11報中 2報:差なし

全体の統合データでは、平均して2.1kgほど低糖質ダイエットの方が体重減少量が大きかったという結果が出ています。ただし、研究によって期間が異なるため「〇ヶ月で必ず2kg差がつく」という意味ではない点に注意が必要です。

出典: British Journal of Nutrition (2016), 115, 466–479

論文3:Leiden University (2018)

さらに規模を拡大し、33報・1,000人以上のデータを解析した大規模なメタアナリシスです。

結果として、短期的・中期的にはわずかに低糖質ダイエットの減量スピードが早い傾向が見られたものの、長期的に見ればどちらも十分なダイエット効果を発揮することが再確認されました。

出典: Am J Clin Nutr (2018) 108:300–331

見落とせないリスク:低糖質で「LDLコレステロール」が増加?

論文1および論文2で共通して指摘されている非常に興味深いポイントが、「低糖質ダイエットによるLDL(悪玉)コレステロールの増加傾向」です。

糖質を制限すると、代わりに脂質(お肉やオイル、卵など)の摂取割合が増えやすくなります。その結果、血液中のLDLコレステロール値が上昇しやすくなるリスクが学術的に示されています。

もちろん、これが即座に健康を害するレベルかどうかは個人差や極端さによりますが、「糖質さえ抜けば脂っこいものをいくら食べても健康的に痩せられる」という認識は危険だと言えます。

あなたはどっちを選ぶべき?失敗しない選び方

「結局、自分はどっちをやればいいの?」と迷ったら、以下のステップで判断するのがおすすめです。

1. 自分の「現状の食事」を1週間可視化する

まずは1週間、自分が何を食べているかアプリ等で記録してみましょう。

  • 普段からパンや白米、スイーツを多く食べている人 → 糖質の見直し(過剰分のカット)から始める
  • 揚げ物や脂っこいお肉、ドレッシングを多く摂っている人 → 脂質の見直し(過剰分のカット)から始める

無理に真反対の極端な制限をするのではなく、「今摂りすぎている栄養素」を適正量に戻すことが最も継続しやすく、健康的なアプローチです。

2. PFCバランスを整える

タンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の適正なバランスを意識しましょう。極端な「糖質ゼロ」「脂質ゼロ」を目指すのではなく、必要なタンパク質を確保した上で、全体の摂取カロリーを管理するのが成功の近道です。

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」
低糖質も低脂質も、やりすぎは体調不良やリバウンドの原因になります。自分の体調やライフスタイルに合わせて無理のないバランスを見つけましょう。

まとめ

  • 効果の差: 学術的には低糖質がわずかに優位なデータもあるが、どちらも十分に痩せる効果がある(本質はアンダーカロリー)。
  • 健康面: 低糖質を行う際は脂質の質に注意し、LDLコレステロールの上昇を防ぐ。
  • やり方: 自分の現状の食事パターンを把握し、過剰な栄養素から整えていく。

自分に合った方法で、健康的かつ持続可能なボディメイクを目指していきましょう!

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材料開発・データ解析の実務経験と、ベンチプレス180kg到達までの実践をもとに、筋トレ・データサイエンス・英語の情報を発信しています。