緑茶カテキンが多いお茶は?種類別含有量と抽出温度・時間を解説

こんにちは、モスです。
緑茶カテキンを多く取りたいとき、「煎茶、玉露、抹茶のどれが多いのか」「熱いお湯で長く淹れた方がよいのか」が気になりますよね。
先に結論をまとめると、茶葉1g当たりでは、一般に露地栽培の煎茶が玉露や抹茶よりカテキンを多く含む傾向があります。また、代表的なガレート型カテキンであるEGCGは、高い温度・長い時間ほど抽出されやすくなります。ただし、同時にカフェイン、苦味、渋味も増えるため、「最適な淹れ方」は目的によって異なります。
この記事の要点
- 茶葉1g当たりの総カテキンは、代表的な分析例では煎茶が多い
- 玉露や抹茶は高級だからカテキンも多い、とは限らない
- EGCGを多く抽出するなら高めの温度と長めの時間が有利
- 水出しはEGCGとカフェインが少なく、EGCやテアニンを取り入れやすい
- 茶葉の種類、粒の細かさ、水質でも抽出量は変わる
緑茶カテキンが体重や体脂肪に与える効果の大きさ、摂取量、安全性については、緑茶カテキンにダイエット効果はある?で、2025年のメタ解析を含めて検証しています。本記事では、茶葉の種類と抽出条件に絞って解説します。
緑茶カテキンが多いお茶は?
緑茶カテキンには、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガラート(ECG)、エピガロカテキンガラート(EGCG)などがあります。EGCGは緑茶に多く、研究対象になることが多い代表的な成分です。
日本で生産された茶葉を分析した研究の代表値を、茶葉1g当たりに換算して示します。
| 茶の種類 | 総カテキン | うちEGCG | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 煎茶 | 125mg | 66.7mg | 露地栽培が多く、比較的カテキンが多い |
| 玉露 | 68.9mg | 39.9mg | 遮光栽培により、うま味が多く渋味が少ない |
| 抹茶 | 49.2mg | 33.2mg | 茶葉ごと摂取するため抽出茶と単純比較できない |
| 番茶 | 54.5mg | 25.7mg | 成熟した葉を使うことが多い |
| ほうじ茶 | 24.7mg | 7.5mg | 焙煎工程があり、分析例では少なめ |
出典:HPLC Analysis of Catechins in Various Kinds of Green Teas Produced in Japan and Abroad(1999)。数値は同研究の代表的な試料の分析値で、すべての商品に当てはまる固定値ではありません。
なぜ煎茶は玉露や抹茶より多いことがある?
茶の葉では、日光を受けることでテアニンの一部がカテキンへ変化します。玉露や抹茶の原料となる碾茶は、収穫前に日光を遮って育てるため、うま味が強く、カテキン由来の渋味が抑えられます。そのため、価格の高さとカテキン量は比例しません。
ただし抹茶や粉末緑茶は、抽出液だけでなく茶葉そのものを飲みます。同じ1杯でも摂取方法が異なるため、「茶葉1g中の含有量」と「飲んだときの摂取量」は分けて考える必要があります。
紅茶やウーロン茶はカテキンが少ない?
緑茶、ウーロン茶、紅茶は、基本的に同じチャノキの葉から作られます。紅茶の製造ではカテキンが酸化され、テアフラビンやテアルビジンなどに変化するため、緑茶より未変化のEGCGが少なくなる傾向があります。
旧記事ではダージリン、アッサム、アールグレイ、中国緑茶、日本緑茶などの数値範囲も比較していました。しかし、産地、品種、摘採時期、製造方法、商品による差が大きく、広い範囲を単純な順位として扱うと誤解を招きます。EGCGを目的に選ぶなら緑茶が分かりやすいものの、「紅茶には有用なポリフェノールがない」という意味ではありません。
なお、カテキン類はカカオや果物にも含まれますが、食品によって中心となるカテキンが異なります。EGCGの摂取源としては、緑茶を中心に考える方が整理しやすいでしょう。
茶葉の含有量と1杯の抽出量は同じではない
茶葉に含まれるカテキンが、すべて飲料へ溶け出すわけではありません。実際の1杯に含まれる量は、次の条件で変わります。
- 茶葉の品種、産地、摘採時期
- 煎茶、釜炒り茶、玉露などの製造方法
- 茶葉の量と水量
- 茶葉の大きさ、粉砕の程度
- 水温と抽出時間
- 水の硬度やミネラル組成
そのため、茶葉分析値から「1杯で必ず何mg摂取できる」と直接換算することはできません。
温度と時間でEGCG抽出量はどう変わる?
旧記事で紹介した2006年の研究では、日本の緑茶20gを1,000mLの水で抽出し、50~90℃、5~80分の条件でカテキンとカフェインを分析しました。茶葉と水の比率は、家庭で淹れる場合に近い条件です。
参考:Effect of brewing temperature and duration on green tea catechin solubilization(2006)
表 EGCGの抽出量(mg/100mL)
| 温度/時間 | 5分 | 10分 | 20分 |
|---|---|---|---|
| 50℃ | 1.55 | 7.72 | 24.5 |
| 60℃ | 10.5 | 17.7 | 55.7 |
| 70℃ | 34.8 | 61.3 | 70.2 |
| 80℃ | 34.3 | 48.3 | 93.0 |
| 90℃ | 49.0 | 76.4 | 104.0 |
表 総カテキンの抽出量(mg/100mL)
| 温度/時間 | 5分 | 10分 | 20分 |
|---|---|---|---|
| 50℃ | 70.4 | 91.1 | 138.4 |
| 60℃ | 68.1 | 96.1 | 179.1 |
| 70℃ | 106.0 | 166.6 | 173.7 |
| 80℃ | 106.8 | 186.6 | 255.4 |
| 90℃ | 134.6 | 187.8 | 246.2 |
2006年論文のTable 2をもとに再構成。値は当該試料・実験条件での結果です。
全体として、高い温度、長い抽出時間ほどEGCGと総カテキンの抽出量が増えています。ただし、数値は常に一直線に増えるわけではありません。成分ごとに溶け出す速さが異なり、高温・長時間では成分の変化も起こるためです。
2025年研究で分かったこと
2025年の研究では、温度だけでなく、茶葉の粒の細かさと水質も抽出量に大きく影響しました。実験上は、細かく粉砕した茶葉と蒸留水を用いた85℃・30分でポリフェノール抽出が高まりましたが、水道水ではカテキン収率と抗酸化能が大きく下がりました。
参考:Optimizing brewing conditions for low-temperature green tea infusions(2025)
これは抽出条件を最適化する研究であり、家庭で毎回30分淹れることを勧める結果ではありません。ただ、「温度と時間だけでなく、茶葉の細かさや水質でも結果が変わる」という重要な示唆があります。
目的別・緑茶の淹れ方
カテキン量だけを最大化する方法と、おいしく続けられる方法は同じではありません。家庭では次のように使い分けると分かりやすいです。
| 目的 | 茶葉・水の目安 | 温度・時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 味とのバランス | 煎茶4g/180~200mL | 70~80℃・1~2分 | うま味と渋味を両立しやすい |
| EGCG抽出を重視 | 煎茶4g/180~200mL | 85~90℃・3~5分 | カテキンが出やすいが、苦味とカフェインも増える |
| 水出し | 茶葉10~15g/1L | 冷蔵庫で4~6時間 | EGCGとカフェインを抑え、うま味を感じやすい |
| 抹茶・粉末緑茶 | 製品表示に従う | 商品に合わせる | 茶葉ごと摂る。カフェイン量にも注意 |
上記は研究結果と一般的な淹れ方を組み合わせた実用上の目安です。茶葉の種類や好みに合わせて調整してください。
私の場合:渋め・濃いめが好み
この記事を最初に書いた2020年当時から、私は結構渋め、濃いめの緑茶が好きで、あえて5分ほど蒸らして飲むことがあります。口の中がすっきりする感覚も好みです。
これはカテキン量を正確に管理する方法ではなく、味の好みを含む私の飲み方です。苦味が強すぎる場合や、カフェインに敏感な場合は、温度を下げるか時間を短くした方が続けやすいと思います。
水出し緑茶はカテキンが少ない?
水出しは「カテキンが取れない」のではなく、抽出されるカテキンの構成が熱水と異なります。
農林水産省が紹介している研究では、10℃前後の冷水抽出は80℃・2分の熱水抽出と比べて、EGCGが約5分の1、カフェインが約半分になりました。一方、渋味の弱いEGCやうま味成分のテアニンは、冷水でも比較的抽出されます。
参考:農林水産省「緑茶の美味しさと機能性を両立する水出し緑茶」
さらに、2023年の農研機構の研究では、冷水抽出開始から2時間、6時間の時点では、煎茶の方が釜炒り茶よりEGCとEGCGが速く抽出されました。24時間後には同程度になりましたが、衛生上の理由から24時間以上の抽出は避けるよう注意されています。
参考:農研機構「緑茶の製造方法によりカテキン類の冷水浸出速度は異なる」
熱水と水出しの使い分け
- EGCGを多く抽出したい:高めの温度で淹れる
- 苦味とカフェインを抑えたい:水出しにする
- 水出しでも茶葉を長時間常温に置かず、冷蔵して早めに飲む
よくある質問
煎茶と抹茶では、どちらがカテキンを多く摂れますか?
茶葉1g当たりの代表的な分析値では煎茶の方が多い結果です。ただし、煎茶は抽出液を飲み、抹茶は茶葉ごと飲むため、実際の摂取量は使用量と飲み方で変わります。
玉露は高級なので、カテキンも多いですか?
必ずしも多くありません。玉露は遮光栽培によってカテキン生成が抑えられ、うま味成分のテアニンが保たれやすいお茶です。
熱湯でカテキンは壊れませんか?
家庭で通常淹れる範囲では、高温ほど短時間に多く抽出される傾向があります。ただし、非常に長い加熱ではカテキンの変化や異性化も起こり得るため、長ければ長いほど必ずよいとは限りません。
二煎目にもカテキンは残っていますか?
残っています。一煎目の温度が低い、または抽出時間が短い場合は、二煎目でもカテキンが抽出されます。二煎目は一煎目より少し高い温度で短めに淹れると、味の変化も楽しめます。
カテキンを多く取るほど健康によいですか?
多ければ多いほど効果が高まるとは限りません。濃く淹れるとカフェインも増えます。また、緑茶抽出物の高用量サプリは飲料と同じではありません。効果の大きさと安全性は、緑茶カテキンの効果・摂取量・注意点の記事を参照してください。
まとめ
- 代表的な茶葉分析では、煎茶は玉露や抹茶より総カテキンとEGCGが多い
- 茶葉の含有量と、1杯に抽出される量は分けて考える
- EGCGは高温・長時間ほど抽出されやすいが、苦味とカフェインも増える
- 水出しはEGCGが少なく、EGCとテアニンを取り入れやすい
- 味、カフェインへの感受性、続けやすさで淹れ方を選ぶ
本記事は食品成分と抽出条件に関する一般的な情報です。特定の病気の予防・治療を目的とするものではありません。





