ディップスは、ベンチプレスができない期間の代替種目として活用できます。私の場合、ベンチプレスを約2か月間行わず、荷重ディップスだけを23回実施しました。その結果、中断前のベンチプレス120kg×3回から、再開直後に120kg×6回・125kg×5回、翌週には130kg×4回まで伸びました。

この記事では、2020年4月〜5月に残した全記録を公開しながら、ディップスがベンチプレスの代わりになる場面、両種目の違い、併用する場合の組み方をまとめます。

目的・状況おすすめの使い方
ベンチ台を使えない期間ディップスを代替種目として行う
ベンチプレスのMAX向上が最優先ベンチプレスをメイン、ディップスを補助種目にする
胸・上腕三頭筋の練習量を増やしたいメインセット後にディップスを2〜3セット加える
ベンチプレスの動作から一度離れたい短期間の種目変更として荷重ディップスを活用する

体重と追加荷重からベンチプレス重量の目安を確認したい方は、荷重ディップスとベンチプレスの重量比較・計算記事をご覧ください。

結論:私の検証ではディップスがベンチプレスの代替種目になった

時点ベンチプレスの実測記録FWJ式の推定MAX
中断前120kg×3回129.0kg
再開直後120kg×6回138.0kg
再開直後125kg×5回140.6kg
再開翌週130kg×4回143.0kg

ベンチプレスそのものを練習していない期間でも、押す力を荷重ディップスで継続的に鍛えたことで、再開後の記録向上につながったと考えています。ベンチプレスとディップスは同じ種目ではありませんが、設備が使えない期間や、いつもと違う刺激を入れたい時の有力な選択肢になりました。

推定MAXは、現在サイト内で使用しているFWJ式「重量×(1+回数÷40)」で統一しています。

2か月の検証条件

検証期間2020年4月3日〜5月31日
ベンチプレス期間中は実施なし
荷重ディップス合計23回(4月9回・5月14回)
中断前の記録ベンチプレス120kg×3回
セット間休憩重量を扱うため10分以上
記録方法追加荷重・回数・セットを毎回記録

追加荷重は自重0kg×10回から始め、最終的に55kg×12回まで伸ばしました。毎回の重量と回数を残したことで、調子だけに頼らず、負荷を増やす目安を判断できました。

ディップスとベンチプレスの違い

比較項目ベンチプレスディップス
主な動作ベンチ上でバーベルを押す平行棒で身体を上下させる
負荷の決め方バーベル重量で調整自重+追加荷重で調整
必要な設備ベンチ・ラック・バーベル安定したディップススタンド
ベンチの技術練習最も直接的押す力を別の動作で鍛える
取り入れ方メイン種目代替種目・補助種目

どちらも胸・上腕三頭筋・肩周辺を使うプレス系種目です。ベンチプレスの記録を狙うならベンチプレスの練習を中心にし、ディップスで押す力とトレーニング量を補う形が組みやすくなります。ベンチ台を使えない期間には、自重から始めてプレートを追加し、段階的に負荷を高められるディップスが有力な代替種目になります。

ディップスで代替しやすい部分と、ベンチプレスで磨く部分

伸ばしたい要素ディップスの活用ベンチプレスの活用
胸・上腕三頭筋の押す力自重・追加荷重で高めるバーベル重量で高める
トレーニング量補助セットとして追加しやすいメインセットで管理しやすい
ベンチ台を使えない期間の継続代替種目として活用しやすい設備を使える時に再開する
ラックアップや胸での切り返し押す力の土台を作る実際の動作で技術を磨く
ブリッジや足の使い方上半身のプレス動作に集中する試技に近いフォームで練習する

このように、ディップスは押す力を維持・向上させる役割を担い、ベンチプレスは競技動作やフォームの再現性を磨く役割を担います。目的に合わせて代替と併用を使い分けることで、両種目の強みを活かせます。

2か月間、荷重ディップスだけを行ったきっかけ

学生時代のベンチプレスMAXは128kgでした。社会人になってから再開し、2020年1月から記録を伸ばして、中断前には120kg×3回まで戻していました。

ところが、利用していたジムが休業し、ベンチプレスを続けられない状況になりました。そこで、自宅でも高い負荷をかけられる種目として選んだのが荷重ディップスです。ベンチプレスを再開できる日まで押す力を伸ばし続ける、という目的を明確にして取り組みました。

荷重ディップスを選んだ3つの理由

1.自重から始め、追加荷重で段階的に強くできる

最初は自重でフォームと可動域を整え、慣れてからディッピングベルトにプレートを付けられます。回数が安定したら荷重を増やすため、進歩を数値で追いやすい種目です。

2.ベンチプレスより少ない器具で高い負荷を扱える

当時そろえた器具の費用は、ディップススタンド約6,000円、ディッピングベルト約1,500円、プレート60kg分約8,500円、合計約16,000円でした。価格は2020年当時の購入例ですが、限られた設備で負荷を高められた点が大きな利点でした。

3.胸と上腕三頭筋を高い負荷で鍛えられる

ベンチプレスと動作は異なりますが、押す力に関わる部位を継続して鍛えられます。私は追加荷重と回数を記録し、少しずつ負荷を高めました。

荷重ディップスのみを2か月続けた全記録

4月は9回、5月は14回、合計23回実施しました。追加荷重は0kg×10回から35kg×12回へ進み、5月には40kg×11回から55kg×12回まで伸びています。

表の「重量」は、体重とは別に加えた追加荷重です。ディップスの総負荷は「当時の体重+追加荷重」として考えています。表の1RM欄は記事作成当時に使用していた換算値です。現在のサイト内換算はFWJ式に統一しています。

4月の全記録

トレーニング回数 9回
記録の推移 荷重0kg 10回→荷重35kg 12回

Date重量
kg
Set1Set2Set3Set4Set51RM
換算

kg
2020/04/080101010115
10910101010127
2020/04/101512143
201010101010140
2020/04/1420121012150
25101210157
2020/04/18251011101212157
3010153
2020/04/203010.012111011164
30121111164
2020/04/2135101010109159
2020/04/2335101010159
2020/04/2735101212171
3511109165
2020/04/29351012101211171

荷重ディップスやりたてのときは、やはり、慣れていない分、一気に記録が伸びました。一方で、4月10日あたりから、中3日の日が続いていますが、大胸筋ではなく、肋骨あたりが痛くなる現象があったためです。痛みは10日程度でなくなりました。

ちなみに、セット間のインターバルは、少なくとも10分間取っています。

そうすることで、筋肉を十分に回復させることで次のセットに臨めるので、結果的に高いボリュームでのトレーニングができます。セット間のインターバルを気にしなくていいのも家トレの利点です。

またサプリメントとしては、1セット目終了後にEAA 6g、全セット終了後にEAA6gとグルタミン6gを摂取しています。

5月の全記録

トレーニング回数 14回
記録の推移 荷重40kg 11回→荷重55kg 12回

Date重量 kgSet1Set2Set3Set4Set51RM
換算

kg
2020/05/014010119171
2020/05/084010119171
2020/05/10401210101110177
2020/05/124012101012177
2020/05/144012101211177
2020/05/174510119178
451210184
2020/05/18451210184
2020/05/2050810178
2020/05/2250101010178
2020/05/23501210191
2020/05/255012191
5510109185
2020/05/2755101210198
2020/05/295510109185
2020/05/3155101010185

4月に比べると、荷重重量の増加は少なくなりましたが、それでも40kgから55kgと15kgも増えました。このとき一番自分でも驚いたのが、身体の変化です。特に胸のあたりの筋肉のボリュームと上腕三頭筋のボリュームが相当に増えたと実感しました。

まとめ、4月、5月の2か月間で、

荷重ディップスの重量

荷重0kg 10回 → 荷重55kg 12回
1RM換算での重量 115kg → 185kg

 

ベンチプレス再開後の結果

約2か月ぶりにベンチプレスを再開した日は、120kg×6回、続けて125kg×5回を記録しました。中断前は120kg×3回だったため、同じ120kgで回数が3回増えています。さらに翌週には130kg×4回まで伸びました。

記録推定MAX(FWJ式)
120kg×3回129.0kg
120kg×6回138.0kg
125kg×5回140.6kg
130kg×4回143.0kg

実際に挙げた重量と回数を中心に見ると、荷重ディップスだけを行った期間の後に、ベンチプレスの回数と重量の両方が伸びたことが分かります。

記録が伸びた理由として考えていること

押す力を継続して鍛えられた

ベンチプレスを休んでいる間も、荷重ディップスで胸・上腕三頭筋を中心に高い負荷をかけ続けました。最終的に追加荷重55kgで12回まで進めたことが、押す力の向上につながったと考えています。

負荷を記録し、段階的に増やした

毎回、重量・回数・セットを残しました。前回より回数を増やす、または追加荷重を増やすという目標が明確になり、2か月間の成長を積み上げられました。

ベンチプレスの疲労を抜く期間になった

ベンチプレスの動作から離れたことで、押す力を鍛えながら、いつも使っていた動作の疲労を整える期間にもなりました。私自身、停滞時に短期間ベンチプレスを休み、別種目に取り組む方法は有効だと感じています。

ベンチプレスの代替としてディップスを行う方法

  1. まず自重で安定したフォームを作る
  2. 毎回、追加荷重・回数・セット数を記録する
  3. 目標回数をきれいに行えたら、少しずつ荷重を増やす
  4. 反動よりも、安定した動作と再現性を優先する
  5. ベンチプレス再開時は軽い重量から動作感覚を戻す

組み方の一例は、8〜12回を狙って3〜5セットです。最初は自重で行い、安定して反復できるようになったら2.5〜5kgずつ追加します。肩や肘に違和感が出ない可動域を選び、スタンドが動かない環境で実施します。

ベンチプレスと併用する場合の組み方

ジムでベンチプレスができる場合は、ディップスを補助種目として使えます。ベンチプレスのメインセット後にディップスを2〜3セット行い、胸や上腕三頭筋のトレーニング量を追加する方法です。

ベンチプレスの記録を最優先する日は、ディップスで追い込みすぎず、翌回までに疲労が整う量にします。重量・回数に加え、翌回のベンチプレスの調子も記録すると、自分に合うセット数を見つけやすくなります。

よくある質問

ディップスをするとベンチプレスは伸びますか?

私の場合は伸びました。2か月間の荷重ディップス後に、120kg×3回から120kg×6回、125kg×5回、翌週130kg×4回へ向上しました。追加荷重と回数を記録し、段階的に負荷を高めたことがポイントです。

ディップスとベンチプレスはどちらを優先すべきですか?

ベンチプレスの記録を狙うなら、ベンチプレスをメインにするのが基本です。ベンチ台を使えない時は代替として、通常の練習では補助種目としてディップスを活用できます。

いつから荷重を追加すればよいですか?

まず自重で安定したフォームを作り、10〜15回程度を再現できるようになった段階が一つの目安です。最初は小さなプレートから始め、動作の質を保ったまま増やします。

荷重ディップスはベンチプレス何kgに相当しますか?

体重・追加荷重・回数から目安を計算できます。詳しい計算方法と実測比較は、荷重ディップスはベンチプレスに換算できる?実測記録と計算方法にまとめています。

まとめ

  • ベンチプレスを約2か月休み、荷重ディップスを合計23回実施した
  • 追加荷重は0kg×10回から55kg×12回まで伸びた
  • ベンチプレスは120kg×3回から、再開後に125kg×5回、翌週130kg×4回へ向上した
  • ディップスは、設備が使えない期間の代替種目として活用できた
  • 通常時はベンチプレス後の補助種目としても取り入れられる

ディップスを活用するうえで最も大切にしたのは、毎回の重量と回数を残し、前回からの変化を確認することでした。自分の記録に合わせて負荷を調整すると、代替期間も成長の時間に変えられます。

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研究から分かるディップスの特徴

2022年の研究では、トレーニング経験のある男性13人がベンチディップス、平行棒ディップス、リングディップスを行い、動作と筋活動が比較されました。平行棒とリングのディップスは、ベンチディップスより大胸筋を含む複数の筋群を使いやすい特徴が示されています。この記事で実践したのは、追加荷重を設定できる平行棒ディップスです。

研究で示された筋活動の特徴と、私の2か月の実測記録を合わせると、平行棒ディップスは胸・上腕三頭筋を使う高負荷のプレス種目として、ベンチプレスの代替期間や補助種目に取り入れやすいと考えられます。

参考資料

あわせて読みたい:ベンチプレスの重量を伸ばす完全ガイド|100kg・120kg・180kgまでの経験まとめ

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モス
材料開発・データ解析の実務経験と、ベンチプレス180kg到達までの実践をもとに、筋トレ・データサイエンス・英語の情報を発信しています。