筋トレ

ベンチプレスの補助種目は何を選ぶ?愛用4種目の効果と目的別の選び方

ベンチプレスの補助種目は、何を選べばよいのでしょうか。胸や腕を鍛える種目はいろいろありますが、すべてを追加すると、肝心のベンチプレスに疲労を残すこともあります。

こんにちは、モスです。私が普段、補助種目として取り入れることが多いのは、インクラインベンチプレス、足上げナローベンチプレス、バーベルカール、ディップスの4つです。

この記事では、この4種目の狙い、基本的なやり方、ベンチプレスとの関係を整理します。さらに、コーチによる解説記事や研究を参考に、その他の補助種目と選び方も紹介します。

私が普段取り入れている4種目を、研究やコーチの解説も交えながら紹介します。セット数・回数の例も参考に、自分の課題に合う種目を選んでみてください。

ベンチプレスの補助種目は「何を補うか」で選ぶ

補助種目の役割は、大きく分けると、押すための筋肉を鍛えること、動作の一部分を練習すること、背中や腕を含む上半身を補強することです。ベンチプレスの最大重量を伸ばしたいなら、通常のベンチプレスの練習を軸に、必要な役割を少数の種目で補います。

普段取り入れる種目主な狙いベンチプレスとの関係
インクラインベンチプレス大胸筋上部や肩前部を含む押す筋肉の強化角度を変えて押すトレーニングを加える
足上げナローベンチプレス脚の補助を使わないプレス練習と肘を伸ばす動作通常のベンチに近い動作を、異なる条件で練習する
バーベルカール上腕二頭筋など肘を曲げる筋肉の強化肘を曲げる側の筋力・筋量を補う
ディップス大胸筋・上腕三頭筋などの強化自重や加重で押すトレーニング量を確保する

種目を選ぶときは、バーが止まる位置に加え、軌道・姿勢・疲労・重量設定も確認すると、自分の課題を整理しやすくなります。

1.インクラインベンチプレス:角度を変えて押す筋肉を鍛える

どんな種目?

背もたれに傾斜をつけたベンチで行うプレスです。フラットベンチとは上腕を動かす方向が変わり、大胸筋上部や三角筋前部を含む筋肉を鍛えられます。ここではバーベルで行う形を中心に説明します。

期待する効果と研究から分かること

ベンチ角度を比較した研究では、30度で大胸筋上部の筋電図活動が最も高く、角度が大きくなると肩前部の活動が高まる傾向が報告されています。この筋活動の傾向を角度選びの参考にしながら、狙った部位への負荷と押しやすさを確認し、自分に合う設定を探していきましょう。[研究:ベンチ角度と筋活動]

補助種目としては、フラットとは異なる角度で胸・肩のトレーニング量を確保する目的で使えます。押す筋力の土台を充実させたいときに取り入れやすい種目です。

やり方と注意点

まずは低めの傾斜、例えば15〜30度程度から、無理なく押せる角度を探します。足を床につけ、背中とお尻を安定させ、バーをコントロールして下ろします。フラットと同じ重量を使おうとせず、その角度で扱える重量に設定してください。肩に痛みが出る深さや軌道は避けます。

組み方の例:6〜10回×2〜3セット。毎回限界まで追い込まず、あと2〜3回できる程度の余裕から始めます。

2.足上げナローベンチプレス:脚の補助を外し、押し方を確認する

「足上げ」と「ナロー」の役割を分けて考える

足を床から離し、通常より狭い手幅で行うベンチプレスです。足上げでは床を踏んで補助する動作、いわゆるレッグドライブが使えません。ナローでは肩と肘の動き方が変わり、肘を伸ばす動作を意識したプレス練習になります。胸も使うため、上腕三頭筋だけの種目ではありません。

足を上げる姿勢には、膝を曲げる形や脚を伸ばす形などがあります。この記事では「足を床につけずに行うプレス」として扱い、特定の脚の角度を必須にはしません。再現しやすい姿勢を選び、記録を比べる際は条件をそろえます。

期待する効果と限界

脚の補助が使えない条件で、上半身の姿勢やバーのコントロールを練習できるのが特徴です。一方、通常の足を床につけたベンチプレスとは条件が異なるため、脚を含めた全身の連動は、通常のベンチで練習する必要があります。

足を浮かせて股関節・膝を曲げたベンチプレスで、足を床につけた条件より筋活動が高かったという研究があります。足の位置によって筋活動が変わるという知見は、練習条件を工夫するヒントになります。足上げナローでは、上半身の姿勢とバーのコントロールを意識し、通常のベンチでの押しやすさも記録していきましょう。[研究:足の位置と筋活動]

やり方と注意点

手幅は肩幅前後を出発点に、手首と肘に無理のない位置へ調整します。両手が触れるほど狭くする必要はありません。手首を過度に反らさず、軽い重量で安定性を確認してください。通常のベンチより不安定になりやすいため、セーフティを適切に設定し、必要に応じて補助者をつけます。慣れていなければ、足を床につけたナローから始めてもよいでしょう。

組み方の例:6〜10回×2セット程度から。フォームが崩れる前に止め、足つきベンチの重量から一律の割合で決めず、その日の動きで調整します。

3.バーベルカール:押す動作とは別の役割で腕を補強する

どんな効果を狙う?

バーベルを逆手で持ち、肘を曲げて持ち上げる種目です。主に上腕二頭筋など、肘を曲げる筋肉を鍛えます。ベンチプレスでは肘を伸ばす動作、カールでは肘を曲げる動作を鍛え、それぞれの役割で腕を強化します。

私もよく取り入れている種目の一つです。補助種目としては、肘を曲げる側の筋力と筋量を補う役割があります。胸や上腕三頭筋のプレス種目と組み合わせ、腕を幅広く鍛えたいときに活用できます。

腕を太くしたい場合や、引く動作も含めて腕を補強したい場合に選びやすい種目です。カールの重量・回数と、メインのベンチの調子を記録し、自分に合う量を見つけていきましょう。

やり方と注意点

体幹を安定させ、上体を大きく反らして振り上げずに肘を曲げます。下ろすときもコントロールし、手首を無理に曲げないようにします。ストレートバーで手首がつらい場合は、EZバーやダンベルなど、握りやすい道具への変更も選択肢です。

組み方の例:8〜15回×2〜3セット。ベンチプレスが主目的ならメイン種目の後に置き、腕の疲労を翌回まで大きく残さない量にします。

4.ディップス:胸と上腕三頭筋を使って体を押し上げる

どんな種目?

ここでは、平行棒タイプのバーで体を支え、肘を曲げて体を下ろし、再び押し上げるディップスを扱います。ベンチに手をついて行うベンチディップスとは区別します。大胸筋や上腕三頭筋などを使う、上半身のプレス種目です。

ベンチプレスへの活かし方

自重で十分な負荷になる人もいれば、加重してトレーニング量を確保する人もいます。ベンチとは体の支え方や肩の動きが異なるため、胸・腕を別の動作で鍛える候補になります。ディップスとベンチはそれぞれの重量・回数を記録し、両方の伸びを見ながら負荷を調整していきましょう。

私のディップスとベンチプレスの記録については、荷重ディップスとベンチプレスの重量比較|私の記録とトレーニングへの活かし方で紹介しています。

やり方と注意点

反動で上下せず、自分でコントロールできる範囲まで下ろします。「深く下ろすほどよい」とは考えず、肩前面に痛みが出る深さは避けます。自重が重すぎる場合は補助付きマシンなどで負荷を下げ、安定して繰り返せるようになってから加重を検討します。

組み方の例:6〜12回×2セット程度から。ベンチやインクラインと負荷が重なるため、押す種目全体のセット数で調整します。

他の人の補助種目の解説から参考になること

EliteFTSのC.J. Murphy氏による補助種目の解説では、胸元・中間・押し切りという局面に分け、ポーズベンチ、ボードプレス、ピンプレスなどを紹介しています。この記事から参考になるのは、種目を順位づけするより、自分の課題に合わせて選ぶという考え方です。コーチの実践に基づく種目選びのヒントとして、自分の課題と照らし合わせて読めます。

Greg Nuckols氏のベンチプレス経験談では、上腕三頭筋を鍛えることに加え、ダンベルプレスやローイングなどを取り入れた経験が語られています。こうした経験談からは種目の役割を学び、セット数は自分の練習量や回復に合わせて調整すると活用しやすくなります。

その他の補助種目7つ:目的に応じて選ぶ候補

以下は、上の実践記事も参考に整理した追加候補です。各種目の特徴に、本記事での選び方と導入量の提案を添えました。

種目主な目的基本と注意点
ポーズベンチプレス胸元で止めた姿勢から押す練習胸で1〜2秒ほど止め、姿勢を保って押す。胸に弾ませず、重量を下げて始める。
Spoto(スポト)プレス胸に触れる手前でバーを制御する練習胸の少し上で止めてから押す。停止位置を毎回そろえ、通常の胸につける練習も残す。
ダンベルベンチプレス胸・肩・腕のトレーニング量を確保左右別々の重りを制御する。深さを欲張らず、開始・終了時も安全に扱える重量を使う。
フロアプレス可動域を限定したプレス練習床に仰向けで行い、上腕が床についた位置から押す。肘を床に打ちつけない。制限される範囲は体格で変わる。
ピンプレス設定した高さから押し始める練習ラックの左右同じ高さのピンから押す。通常より重い重量を扱うことだけを目的にしない。
チェストサポートロウ背中の筋力・筋量を補う胸をパッドで支えて引く。押す種目と組み合わせて、背中の筋力・筋量も充実させる。
ケーブルプレスダウン肘を伸ばす上腕三頭筋の補強上体の反動を抑え、肘を伸ばす。軽めから始め、肘に痛みが出る重量・軌道を避ける。

ベンチに近いプレス種目なら、まずは3〜8回×2セット程度の余裕を持てる設定、ロウやプレスダウンなら8〜15回×2セット程度を導入例にできます。回数は動作の安定性や疲労の残り方に合わせて調整してください。すでに十分な練習量がある場合は、追加ではなく既存種目との入れ替えを考えます。

補助種目をどう組み合わせる?週2回の配置例

次の表は、4種目を週2回に分散して取り入れるためのモデルメニューです。通常のベンチの練習量は現在の計画を土台にし、補助を入れた結果メインの質が下がらないかを確認します。

メインの後に行う補助種目の例調整ポイント
A日インクライン:6〜10回×2セット
バーベルカール:8〜15回×2セット
インクラインで肩・胸を疲れさせすぎない。
B日足上げナロー:6〜10回×2セット
ディップス:6〜12回×1〜2セット
押す種目が重なるため、疲労が強ければどちらか一つにする。

最初から4種目をすべて導入する必要はありません。まずは1日に1〜2種目、あと2〜3回できる余裕を残して試します。別の日に行っている胸・肩・上腕三頭筋の練習も合算して考えてください。

同じフォームと可動域で設定回数の上限を余裕を持ってできるようになったら、最小限の増量を試します。新しい種目を増やすことより、重量・回数・余裕度・次のベンチの調子を記録することを優先します。

効果を判断するときは、補助種目とメインの両方を見る

  • 同じフォームで、補助種目の回数や重量が伸びているか。
  • 通常のベンチで、同じ重量が以前より安定して挙がるか。
  • 次のベンチまでに疲労が抜け、予定の練習ができるか。
  • 肩・肘・手首に新しい痛みが出ていないか。

数週間の記録を見て、補助だけ伸びてメインが落ちているなら、種目の優先順位や量を見直します。一度に多くを変えないほうが、何が自分に合うかを判断しやすくなります。

私は100kg、120kg、140kg、160kg付近で停滞を経験しました。伸び悩んだときは、補助種目を足すだけでなく、疲労を減らすことも選択肢です。詳しくは、ベンチプレスが伸びないときに試した3つのことにまとめています。

インクラインとディップスは押す筋肉の補強、足上げナローは条件を変えたプレス練習、バーベルカールは肘を曲げる側の補強。それぞれの役割を意識して、メインのベンチプレスを支えられる量に調整していきましょう。痛みが続く場合は無理に続けず、専門家に相談してください。

参考にした記事・研究