挙げた重量と回数から最大重量(1RM)を推定する計算式はいくつもあり、5回までならどの式でも差は数kg、10回を超えると10kg以上の差が出ます。たとえば100kgを10回挙げた場合、推定MAXはFWJ式で125kg、Epley式とBrzycki式で133kgです。

この記事では、よく使われる4つの計算式を同じ条件で比べ、どの式をどう使えばよいかを整理します。このサイトのベンチプレスMAX換算早見表は、FWJ式で計算しています。

よく使われる4つの計算式

重量をw、回数をrとすると、主な計算式は次のとおりです。

名前計算式特徴
FWJ式(O’Conner式)w ×(1 + r ÷ 40)日本では「FWJ式」と呼ばれることが多い式。海外ではO’Connerらの式として知られる。回数が多いときに控えめに出る
Epley式w ×(1 + r ÷ 30)海外で最もよく使われる式の一つ。少ない回数では高めに出る
Brzycki式w × 36 ÷(37 − r)Epley式と並んでよく使われる。回数が増えると急に高くなる
Lombardi式w × r0.1少ない回数では高め、多い回数では控えめに出る

4つの式を比べると:100kgを1〜12回挙げた場合

100kgを挙げた回数と推定MAX(式による違い)100110120130140123456789101112挙げた回数推定MAX(kg)Brzycki式 144kgEpley式 140kgFWJ式 130kgLombardi式 128kg

100kgを挙げた回数ごとの推定MAX

回数FWJ式Epley式Brzycki式Lombardi式
1回102.5kg103.3kg100.0kg100.0kg
2回105.0kg106.7kg102.9kg107.2kg
3回107.5kg110.0kg105.9kg111.6kg
4回110.0kg113.3kg109.1kg114.9kg
5回112.5kg116.7kg112.5kg117.5kg
6回115.0kg120.0kg116.1kg119.6kg
7回117.5kg123.3kg120.0kg121.5kg
8回120.0kg126.7kg124.1kg123.1kg
9回122.5kg130.0kg128.6kg124.6kg
10回125.0kg133.3kg133.3kg125.9kg
11回127.5kg136.7kg138.5kg127.1kg
12回130.0kg140.0kg144.0kg128.2kg

表から分かることは次の3つです。

  • 5回までは、どの式でも差は6kg以内。5回なら112.5〜117.5kgです。
  • 回数が増えるほど、式による差が広がる。10回では125〜133kg、12回では128〜144kgと、15kg以上の差になります。
  • FWJ式は回数が多いときに控えめ。8〜10回ではFWJ式が4つの中で一番低く、11回以上ではLombardi式とほぼ同じ値になります。

なお、FWJ式とEpley式は1回でも重量より高い値が出ますが、実際に1回挙げた重量がそのままMAXです。

どの式を使えばいい?

1. 回数は少なめ(できれば5回以下)で計算する

回数が多いほど、式による差も、実際のMAXとのずれも大きくなります。回数が多いと、筋力だけでなく筋持久力の影響も大きくなるためです。推定MAXを出すなら、限界まで挙げて5回前後になる重量で計算するのがおすすめです。

2. 同じ式を使い続ける

推定MAXは、あくまで目安です。一番大切なのは、毎回同じ式で計算して、伸びているかどうかを比べることです。式を変えると、それだけで数kg変わってしまい、記録が伸びたのか分からなくなります。

3. 控えめな式で練習の重量を決める

推定MAXをもとに練習の重量(MAXの8割など)を決めるなら、高めに出る式より、控えめに出る式のほうが無理のない重量になります。FWJ式は回数が多いときに控えめに出るので、練習の重量を決めるのに向いています。

4. 初心者は実際より高めに出やすい

計算式の多くは、トレーニング経験のある人のデータをもとに作られています。筋トレを始めたばかりの人は、実際に挙げられるMAXが計算より低くなることがあります。推定値は10%前後ずれることもあるので、あくまで出発点と考えてください。

推定MAXの使い方

  • 記録の伸びを確かめる。毎回MAXに挑戦しなくても、5回前後のセットの重量と回数から、伸びを確認できます。
  • 練習の重量を決める。推定MAXの8割で5回、7割で8回など、目的に合わせた重量を決める目安になります。
  • 次の目標を立てる。たとえば「100kgを挙げるには、90kgを何回挙げればいいか」が分かります。具体的な回数はベンチプレス100kgを目指す!80kg・90kgは何回が目安?で紹介しています。

記録を残しておくと、推定MAXの推移も追えます。記録の付け方は筋トレノートの書き方で紹介しています。

よくある質問

一番正確な式はどれ?

どの式が一番正確かは、種目や回数、その人のトレーニング経験によって変わり、どれか1つが常に正しいわけではありません。少ない回数で計算すれば、どの式でも大きな差はありません。

スクワットやデッドリフトにも使える?

同じ式で計算できます。ただ、種目によって筋持久力の影響の大きさが違うため、ずれ方も変わります。目安として使ってください。種目別の重量の目安はスクワットは何kgからすごい?とデッドリフトは何kgからすごい?にまとめています。

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参考資料

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材料開発・データ解析の実務経験と、ベンチプレス180kg到達までの実践をもとに、筋トレ・データサイエンス・英語の情報を発信しています。