腕立て伏せは、トレーニングを続けている男性の中で、20回で初級、40回前後で平均、60回を超えると上位20%に入る回数です。筋トレの記録サイトに集まった男性約78万件のデータでは、平均(中級)が39回、上位20%(上級)が62回でした。

また、40回以上できるかどうかは、体力の目安としても注目されています。アメリカの研究では、腕立て伏せが40回を超えてできた男性は、10回未満の男性より、その後10年間の心臓や血管の病気の発生が大きく少なかったと報告されています。

この記事では、記録データと研究をもとに、腕立て伏せの回数の目安、体重による違い、ベンチプレスに換算した負荷を紹介します。

【写真を入れる】腕立て伏せのフォーム

腕立て伏せは何回からすごい?回数の目安

腕立て伏せの回数の目安(男性)初心者5回初級19回中級39回上級62回エリート87回出典:Strength Level(男性の記録 約78万件、体重を問わない全体の値)

男性の腕立て伏せの回数の目安

筋トレの記録サイトStrength Levelでは、腕立て伏せの記録約88万件(男性約78万件・女性約10万件)をもとに、次のような目安を出しています。

レベル男性女性位置づけ
初心者5回1回未満記録している人の下位5%程度
初級19回7回下位20%を上回る
中級39回18回平均(50%)を上回る
上級62回31回上位20%
エリート87回47回上位5%

ここでの「平均」は、トレーニングの記録を付けている人の中での平均です。運動の習慣がない人も含めた全体の平均は、これより低いと考えられます。

なお、日本の国の体力テスト(新体力テスト)には腕立て伏せの種目がなく、成人の平均回数を示した公的な統計は見つかりませんでした。

体重が重いほど、回数は少なくなる

腕立て伏せは自分の体重を押し上げる種目なので、体重が重い人ほど回数は伸びにくくなります。男性の体重別の目安は次のとおりです。

体重初級中級上級エリート
約54kg(120lb)19回42回69回99回
約68kg(150lb)20回40回64回91回
約82kg(180lb)20回38回60回83回
約91kg(200lb)19回37回57回78回
約100kg(220lb)19回35回54回74回

40回できる人は、心臓の病気が少なかった

ハーバード大学公衆衛生大学院などの研究グループは、アメリカの男性消防士1,104人(平均39.6歳)を10年間追跡し、腕立て伏せの回数と心臓や血管の病気(心血管疾患)の関係を調べました(JAMA Network Open、2019年)。

  • 腕立て伏せが40回を超えてできた人は、10回未満だった人と比べて、心血管疾患の発生リスクが96%低かった
  • 10年間に起きた37件の心血管疾患のうち、40回を超えてできた人で起きたのは1件だけだった

ただし、対象は体を動かす仕事をしている中年男性で、女性や他の年代、運動習慣の少ない人にそのまま当てはまるとは限らない、と研究グループ自身が述べています。また、腕立て伏せの回数が多いこと自体が病気を防ぐと示したものではなく、体力の目安として回数が役立つ可能性を示した研究です。

腕立て伏せの負荷は体重の何%?ベンチプレスに換算すると

腕立て伏せで腕にかかる負荷は、体重のすべてではありません。足で体重の一部を支えているためです。運動習慣のある若者23人を対象に、手で床を押す力を測った研究(Wurm、Ebbenら、2010年)では、次のような結果でした。

やり方手にかかる負荷(体重比)体重70kgの場合
足を約60cm高くする74%約52kg
足を約30cm高くする70%約49kg
通常の腕立て伏せ64%約45kg
手を約30cm高くする55%約39kg
膝をつく49%約34kg
手を約60cm高くする41%約29kg

通常の腕立て伏せは体重の約3分の2です。体重70kgの人なら約45kg、体重90kgの人なら約58kgを押していることになります。

ベンチプレスと動きは似ていますが、腕立て伏せは体幹で体をまっすぐ保つ必要があり、肩甲骨も自由に動くため、まったく同じ運動ではありません。あくまで重さの目安として考えてください。重量と回数からベンチプレスの最大重量を推定するときはベンチプレスMAX換算早見表が使えます。

回数を数えるときのルール

同じ40回でも、やり方で難しさは大きく変わります。比べるときは、次の条件をそろえてください。

  • 頭からかかとまで一直線を保つ。腰が落ちたり、お尻が上がったりした回は数えない。
  • 胸が床の近く(こぶし1つ分ほど)まで下ろす。
  • ひじが伸びきるまで押し上げる。
  • 止まらずに続ける。途中で長く休んだら、そこで終わりにする。

回数を増やすには

  • できない人は、負荷の軽いやり方から。手を台に乗せる、膝をつくなど、上の表で負荷の軽いやり方から始め、正しいフォームで10回以上できるようになったら一段階重くします。
  • 毎回の回数を記録する。少しずつでも増えているかが分かると続けやすくなります。記録の付け方は筋トレノートの書き方で紹介しています。
  • 楽にできるようになったら、負荷を上げる。足を高くする、ディップスやベンチプレスに移るなど、回数を増やすより重さを上げる方向に切り替えると、筋力は伸ばしやすくなります。

同じ押す動きの種目として、ディップスの目安はディップスは何回・何kgからすごい?に、引く動きの目安は懸垂は何回できればすごい?にまとめています。

よくある質問

腕立て伏せ10回はすごい?

トレーニングの記録を付けている男性の中では、初級(19回)の手前です。運動の習慣がない人を含めれば珍しくはなく、まずは20回、次に40回を目標にすると分かりやすいでしょう。

腕立て伏せ100回はすごい?

記録データのエリート(上位5%)が87回なので、正しいフォームで続けて100回できれば、トレーニングを続けている人の中でもかなり上位です。

腕立て伏せだけでベンチプレスは伸びる?

通常の腕立て伏せの負荷は体重の約3分の2なので、筋トレを始めたばかりの時期には役立ちます。ただ、ベンチプレスで重い重量を挙げるには、それより重い負荷が必要です。ベンチプレスの伸ばし方はベンチプレスの重量を伸ばす完全ガイドにまとめています。

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参考資料

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材料開発・データ解析の実務経験と、ベンチプレス180kg到達までの実践をもとに、筋トレ・データサイエンス・英語の情報を発信しています。